神戸港の新港第2突堤(神戸市中央区)に「ジーライオンアリーナ神戸」が開業した。バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)神戸ストークスの新本拠地となり、5日に初の公式戦があった。
新アリーナの収容人数は1万人、延べ床面積約3万2200平方メートルとなる。音楽イベントや国際会議などにも対応する「民設民営」の大型施設だ。都心・三宮からも近く、ウオーターフロントのにぎわいや回遊性を高める役割が期待されている。
Bリーグは2026年に新たなトップ区分「Bリーグ・プレミア(Bプレミア)」を創設する。平均入場者数、売上高に加え、「5千人以上収容のアリーナ」の確保が参入要件となる。
ストークスは23年、要件を満たさない西宮市から本拠地を神戸に移し、チーム名も改めた。神戸市立中央体育館などを拠点に戦ってきたが、新アリーナの開業はファンや関係者らの念願であり、トップクラブへの一歩と言えよう。
平均入場者数や売上高の要件もクリアし、昨年10月にBプレミア入りが決まった。ハード面の充実はゴールではない。新アリーナをファンで埋め尽くすには成績向上が不可欠だ。
ストークスは17年にB2初代王者の座と1部(B1)昇格を手にしたものの、1季でB2に降格し、現在に至る。今季も上位と水をあけられている。
26年秋から始まるBプレミアは、競技成績による昇降格の制度は導入しない。目先の選手補強にとらわれない、将来を見据えたクラブの経営基盤の安定などが主眼にあるからだ。
成績不振でも降格の恐れがない半面、モチベーションの維持は難しくなる。年間を通して上位で戦える力をつけることができれば、競技への関心を高め、ファンの裾野を広げる追い風となる。チーム一丸となって勝利を積み重ねていってほしい。
アリーナの集客効果は大きく、関西では28年までに大阪、京都、滋賀でも新設・改修が計画されている。神戸ではスポーツを核としたまちづくりへの貢献も期待される。開業を機に、ストークスは地域や民間との連携をさらに深め、活性化をけん引する存在になってもらいたい。