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 3連休の中(なか)日(び)、参院選の投票は済まされましたか。まだこれからの人、誰を、どの政党を選んでいいか分からない人、投票に行くのを迷っている人、よかったら読んでみてください。

 兵庫選挙区は、改選3議席を巡り過去最多の13人が立候補し全国でも注目の激戦区です。比例代表には16の政党・政治団体が届け出ています。全てに共感できる政党や候補者はなかなかいないのが普通です。

 消費税減税か給付金かの物価高対策が大きな争点とされていますが、選ぶ側が縛られる必要はありません。あまり目立たないけれど、例えば気候変動対策や憲法への姿勢、同性婚の是非など、自分が大事だと思うテーマで考えの近い人や政党を選ぶのはありだと思います。

 一方で、急浮上したのが外国人政策です。排外主義や差別を正当化するような主張が繰り広げられる光景に心を痛めた人もいるでしょう。何かおかしいと感じたら、歯止めになる1票で意思を示してはどうでしょう。

 衆院選は選挙後に首相指名選挙が行われるため「政権選択選挙」と呼ばれます。昨年の衆院選で連立政権を組む自民、公明両党が過半数を取れず少数与党となりました。今夜、参議院でも自公が過半数を割れば、政権の枠組みが変わる可能性が出てきます。今回の選挙が「事実上の政権選択」と位置付けられるのはそのためです。過去には参院選で大敗した当時の首相が辞任した例もあります。参加せず結果を受け入れるだけで、悔いは残りませんか。

 選挙の後も大事です。多数派となった政党の公約が全て認められたわけではなく、政策ごとに国会などで説明し、議論を経て国民の合意を得る必要があります。そこで有権者の声を代弁するのが国会議員の仕事です。

 私たちは選んだ政治家の仕事ぶりをチェックして、ふさわしくないと思ったら次の選挙で選び直すことができます。1回の選挙で政治が変わるはずもなく、みんなで試行錯誤を積み重ねるしかないのです。

 ほとんどの投票所で本日午後8時まで投票できます。買い物や散歩のついでに足を運んでみませんか。くれぐれも暑さ対策はお忘れなく。