兵庫県が2026年度の当初予算案を発表した。斎藤元彦知事が注力する高等教育の負担軽減や県立高校の環境改善、子育て世帯の転入・定住促進など若年層への支援策に引き続き重点を置く。財政状況が一段と悪化する中、施策の実効性を検証し、聖域なき見直しが不可欠となる。
知事は会見で「若い世代に選ばれるためにも、道路などインフラ整備から教育投資の充実に予算をシフトしていくことが大事」と強調した。
一般会計は2兆3182億円と25年度から400億円減、特別会計と公営企業会計を合わせた総額は4兆5303億円となる。
県税収入は25年度を345億円上回る1兆327億円を計上、5年連続で過去最高を更新し初めて1兆円を超えた。好調な企業業績を反映した法人税や、賃上げなどによる個人関係税の伸びを見込む。
だが県財政の内実は予断を許さない。借金に当たる県債残高は4兆6955億円に上る。返済に充てる公債費は金利上昇を受け、前年度比103億円増となる。社会保障関連費や人件費も増加するため貯金に当たる財政基金を129億円取り崩し、財政運営の安定性を確保する。
今回公表した「県政改革方針」では、長期金利上昇により、28年度までの収支不足は530億円と従来予測の160億円から大幅に悪化する。財政健全度を測る指標「実質公債費比率」は基準の18%を大きく上回り8月にも県債発行に国の許可が要る「起債許可団体」に転落する。
28年度以降も年間300億円規模で収支が不足する見通しだ。県によると、これまで財政規模などが似通う他県に比べ、防災対策や道路整備などで高水準の投資事業を実施してきたといい、金利上昇局面に対応した財政運営への転換が欠かせない。
県は「財政健全化と必要な投資を両立していく」とするが、投資規模の抑制は不可避だ。施策の選択と集中を徹底し、県民の命と暮らしを守る投資は維持せねばならない。
直面するもう一つの課題が人口流出の抑制だ。25年の人口移動報告で兵庫は14年連続で転出が転入を上回ったものの、転出超過数は前年より5185人減り大幅に改善した。中でもファミリー層と20代は改善幅が大きいという。県立大の県民無償化など、若者や子育て世代を意識した政策の効果なのかを分析し、県民にも丁寧に伝えることが重要だ。
今後も若者や女性の柔軟な発想を政策決定に取り入れ、兵庫の新たな魅力づくりに生かす仕組みを築くなど知恵と工夫が求められる。
予算案を審議する県議会の役割は重い。地域課題を直視し、各施策の中身の議論を深める必要がある。























