尼崎JR脱線事故
韓国で4月に起きた旅客船の沈没事故を受け、安全実現への問題提起をするため、同国の全国紙・京郷新聞の東京支局長尹熙一記者(50)が日本の事例として2005年の尼崎JR脱線事故を取り上げた。事故の背景を探り続けた遺族の浅野弥三一さん(72)=兵庫県宝塚市=や、尼崎市の事故現場を取材。尹記者は「脱線事故の教訓が、安全が軽視される韓国の状況を変えるヒントになれば」と話す。(宮本万里子)
沈没事故は4月16日に韓国南西部の珍島沖で発生。修学旅行生ら300人以上の死者・行方不明者を出した。
事故後、過積載の常態化など利益優先と安全軽視の企業の実態が発覚。乗客を放置して脱出した船長らは業務上過失致死などの容疑で逮捕された。
京郷新聞は沈没事故について、全8回の連載を企画。尹記者は、最終回で「日本から学ぶ」と題して脱線事故を取り上げ、JR西日本の再発防止の取り組みや事故現場の様子、遺族の思いをなどを記事にまとめた。
妻と妹を失った浅野さんは「遺族の責務だ」と、JR西と議論する会議などで原因追究に奔走。尹記者は「悲しむだけでなく、安全実現に執念を燃やす姿に感銘を受けた」と関心を持ち、浅野さんに取材を申し込んだ。
5月中旬、尹記者は浅野さんを訪問。安全より営利が重視される韓国の現状を伝えつつ、浅野さんの思いや今後の希望を聞いた。
浅野さんは「脱線事故の教訓を一つの事例として社会に示すことが、安全実現につながる」と原因追及を続けた意義を説明した。
脱線事故現場を訪れる人が絶えないことに「9年たっても忘れられていない。韓国では風化が速いのに」と驚いたという尹記者。「脱線事故について伝えることで韓国でも警鐘を鳴らしたい」と話した。
2014/6/3
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