尼崎JR脱線事故
JR西日本は11日、尼崎脱線事故の遺族や負傷者らに対する説明会を兵庫県伊丹市内のホテルで開いた。2018年度からの5カ年で進める「鉄道安全考動計画」のほか、昨年12月新幹線のぞみ台車に亀裂が見つかった重大インシデントについて報告。会場から「異常に気付きながらなぜ運行を止めなかったのか」など厳しい声が相次いだ。
説明会には計192人が出席した。JR西は、重大インシデントについて「(乗務員らが)運行を止める判断を相互に依存していた」などとする調査結果を公表。新たな考動計画には「安全が確認できない場合は迷わず列車を止める」などと定めた。
脱線事故で次男を亡くした上田弘志さん(63)=神戸市北区=は「一定の評価はできるが、100パーセント達成してもらわないと意味がない。社員一人一人の安全に対する意識をどうやって向上させるのかが大きな課題」と指摘した。
長男を亡くした伊丹市の中西義勝さん(77)は「この12年間、安全計画や対策の説明を受けてきたが、今回の新幹線の問題で、その説明は一体何だったのかと感じている。今は何を聞いても信用できない」とうつむいた。
説明会終了後、会見したJR西の来島達夫社長は「脱線事故の反省をいかにして安全につなげるかという重大な原点を改めて自覚した。正面から向き合いたい」と述べた。説明会は12日も開かれる。
(小西隆久、小谷千穂)
2018/2/11
命を乗せて 尼崎JR脱線17年、社員の誓い【5】言われ続けた「電車は止まっている時が一番安全」2022/4/28
命を乗せて 尼崎JR脱線17年、社員の誓い【4】気付けば、毎月現場に通っていた2022/4/27
命を乗せて 尼崎JR脱線17年、社員の誓い【3】走行車内で何度も「人殺し」と非難され2022/4/26
3年ぶり慰霊式「ようやく会えた」 尼崎JR脱線事故17年 遺族ら現場で、オンラインで追悼2022/4/26
尼崎JR脱線事故で三田学園のOB犠牲 命の重さ、後輩が語り継ぐ 吹奏楽部員が献花2022/4/26
「何とかせなあかんかった」「二度と起こしてはならぬ」 尼崎JR脱線17年「祈りの杜」で献花2022/4/25
乗客106人を忘れない 尼崎JR脱線事故から17年、負傷者ら黙とうし、風船40個飛ばす 伊丹2022/4/25
「未来を一瞬にして奪ってしまいました」尼崎JR事故17年 3年ぶり現場で慰霊式2022/4/25
命を乗せて 尼崎JR脱線17年、社員の誓い【2】事故後、最初の運転で手が震えた2022/4/25
尼崎JR脱線事故17年 発生時刻に現場走行、車内放送で「事故を心に刻む」 乗客らは合掌2022/4/25
尼崎JR脱線事故17年 発生時刻に現場走行、車内放送で「事故を心に刻む」 乗客らは合掌2022/4/25
「抱きしめたかった」今も消えない思い 長男亡くした母、悲しみ携え17年 尼崎JR脱線事故2022/4/25
「娘は今もここで迷い続けている」亡き人思い再発防止訴え 尼崎JR脱線17年2022/4/25
遺族ら共に祈り 3年ぶり追悼慰霊式 尼崎JR脱線きょう17年2022/4/25
命を乗せて 尼崎JR脱線17年、社員の誓い【1】それぞれの模索2022/4/25
「パワプロ」、「めちゃイケ」…「もう話せないんや」 尼崎JR脱線17年 三田市消防本部・西さん、亡き友胸に後進育成2022/4/25
「自分たちは『想定外』と言ってはいけない」 尼崎JR脱線17年 当時出動した警防救助係長の思い2022/4/25
「わすれない」夕闇に浮かぶ祈りの灯 尼崎JR脱線、事故現場で追悼行事2022/4/24
事故車両を保存へ、年内に専用施設着工 「記憶の継承」揺れる遺族・負傷者の思い 尼崎JR脱線2022/4/24
「人が降ってきた」「僕も死ぬんや」 乗客の「証言」で振り返る尼崎JR脱線事故2022/4/24









