お盆の前に、ひと足早い夏休み。絵描きの友人の家に遊びにいってきました。神戸電鉄に揺られて1時間ほどのところにある彼の家は、両親とお姉さん夫婦、甥(おい)っ子ふたりの7人家族。原っぱや林、田畑が近く、私のいる六甲よりも植物や生き物たちがずっといきいきしていました。庭のユーカリの木には、セミの抜け殻がたくさん! ミンミンワンワンジリジリシャンシャン……まるで、耳の中からセミ時雨が聞こえてくるようなのです。日中は太陽が近くにあるみたいに暑いので、あまり外には出られなかったけれど、夕方になるといくらか涼しい風が吹き、寝静まるころには、カエルたちの声が。秋の展覧会の支度で忙しそうな友人をよそに、私は小学5年生の甥っ子ユウトク君(うちに遊びにきた日のことを、「毎日のことこと」6話に書きました)、2年生のソウリン君とほとんどの時間を一緒に過ごしていました。夏休みの宿題をしたり、作文を書いたり、サッカーや陸上クラブの練習を見学にいったり。