神戸・北野で営む芸術家宿泊施設「Artist in Residence KOBE(AiRK=アーク)」に滞在する岡田利規さんが、作・演出を手がけた実験的な音楽劇「リビングルームのメタモルフォーシス」が1~2日、神戸文化ホールで上演された。物語は、ある家族が賃貸契約の一方的な破棄から家を追い出されそうになることに始まり、思わぬ方向に展開していく。
ホールに入って驚くのは、音楽を担当する神戸市室内管弦楽団の7人の席が舞台前面中央に設置され、その後ろに芝居の空間があること。オペラやミュージカルでは音楽は見えない所で奏でられ、観客は演劇に没頭するが、本公演では演奏と演劇が同じ存在感を持つ。これをどう理解すればいいのか戸惑っているうちに物語は展開し、やがて演者が前面に出て来て演奏と演劇は溶け合っていく…。