エッセー・評論

上海発 金鋭のモノクロフォトコラム

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道端会議
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 中国に駐在する日本のビジネスマンたちとお話しする機会がよくある。その多くが、慣れない海外でのマネジメントや中国人とのコミュニケーションに苦労しているようだ。

 うまくいかないのには、言葉の壁という問題がある。職場で交わす言葉といえばどうしても「指示と命令」だけになりがちだ。仕事をしに来ているのだから、必要最低限で構わないという向きもあるかもしれない。でも、これが日本人同士であればどうだろう。

 昼休みや仕事帰りの飲み会に休日のゴルフなど仕事以外のさまざまな場面で言葉を交わす。話題も仕事から趣味や家族、郷里のことまでバラエティーに富んでいる。知らず知らずのうちにコミュニケーションが深まり、それがストレスの発散、明日への活力につながるということも少なくない。

 中国人の同僚や部下たちとは、こうした仕事以外でのコミュニケーションが足りないのではないか。おそらく何を話せばいいのか、困っているというのが本音だろう。

 私自身の経験を振り返ってみよう。

 長年、勤めてきた日本の会社を辞め、経営に参加した上海の会社では、出社すると中国人のパートナーと2人だけで雑談を来る日も来る日も繰り返した。10分の時もあれば1時間に及ぶ日もあった。政治・経済から天気、お互いの子どものことまで話のネタは尽きなかった。時にはそのまま会議に突入することまであった。

 華僑とはいえども、こちらは日本生まれの日本育ち。前職時代に中国でのビジネス経験はあったが、今思えば、このころの毎朝の雑談が、その後の会社経営やビジネスの展開にどれほど役立ったか、信頼関係構築に貢献したか計り知れない。

 文字におこせばたわいもない話だったかもしれないが、宝物のような時間だったと言える。雑談=共通の認識、言語を作り出す作業だと思う。

 (中国、及び中国人から)「人として尊重、信頼されることが何より大事」

中国で働く心得として、日本人の駐在員たちにはいつもこう伝えている。

尊重とは一目置かれることである。そのためには、お互いを知り、距離を縮める努力を怠ってはならない。雑談は相手の人となりや家族への思い、ひいては仕事への向き合い方、進め方まで垣間見ることができる。指示と命令だけでは人は動かない。

2016/12/16

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