エッセー・評論

上海発 金鋭のモノクロフォトコラム

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純真無垢
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 中国やアジアの一部の国では、春節と呼ばれる旧正月をお祝いする。新暦の正月は1月1日だが、旧暦は毎年日付が変わる。今年は大晦日が1月27日。28日が元旦だった。

年々規制が厳しくなり、上海ではご法度となってしまったが、夜中じゅう爆竹が鳴り響き、花火が上がるなど賑やかに新しい年を迎えるのが古くからの習わしだ。中国最大のイベントで、盛り上がりは元旦から15日目の元宵節(げんしょうせつ)まで続く。 

 この時期の風物詩とも言えるのが「春運」。春節の休みを利用した帰省、観光旅行など中国全土で数億の人民が移動する。文字通り「春を運ぶ」民族大移動だ。

 タクシー運転手をはじめ北京や上海など大都市で働く人の多くは内陸部などから出稼ぎに来ている。両手に持ちきれないほどのお土産を抱え、満員の列車に乗り込み故郷へと向かう様子を、ニュースなどでご覧になった方もおられるだろう。1年間、額に汗して懸命に働いてきたのは、ふるさとに残した家族の笑顔を見るためだ。年1回、この日が来るのを待ち詫びていた人たちの郷愁の思いはいかばかりか。想像すると何だか胸が熱くなる。

  

 春節ではなく新暦の正月ではあったが、私が子供のころも毎年、大晦日から父親の兄弟全員とその家族、総勢数十人が大阪の祖父宅に集まり正月を過ごした。元旦は孫たちが祖父の前に整列して、お年玉をもらうのが恒例行事だった。

 こうした光景も核家族化が進んだ影響か、昔ほど見られなくなってしまった。残念だ。

 春節の終わりを告げる元宵節には、湯円(タンユゥエン)と呼ばれる団子を食べる。湯の中で踊る姿が夜空に輝くお月さまのようにも見える。この湯円と、中国語で家族団らんを表す「団円」(タゥアンユゥエン)の読みが近いことなどから、元宵節には家族そろって食事をするのが習慣だ。

 春節は最大規模の家族団らんの行事なのだ。離れて暮らす親の顔を見に、家族の笑顔に会いに行く。経済大国になろうとも、核家族化が進もうともこの伝統やしきたりは、親から子へそして孫の世代へと紡いでいきたい。

  新年快乐(シンニィェンクァィラ)!皆さま良いお年を。

2017/1/31

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