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第1部 死ぬって、怖い?

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柔らかい光が差し込む室内。話しやすい環境が整えられている=東京都江東区、マギーズ東京
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柔らかい光が差し込む室内。話しやすい環境が整えられている=東京都江東区、マギーズ東京

柔らかい光が差し込む室内。話しやすい環境が整えられている=東京都江東区、マギーズ東京

柔らかい光が差し込む室内。話しやすい環境が整えられている=東京都江東区、マギーズ東京

 私たちは、看護師や保健師ががん患者や家族の相談に応じる「マギーズ東京」(東京都江東区)で、センター長の秋山正子さん(68)に話を聞いている。

 「どんな相談が寄せられるのですか」

 「そうねえ…」。少し考えて、秋山さんが答える。「薬の効果を知りたいとか、緩和ケア病棟を探しているとか。『俺が亡くなった後、残された家族はどうなるのか』とか、医師に『次の手がない』と言われた人もいますよね」

 一人一人の人生が違うように、吐き出される悩みも同じではない。

 「根掘り葉掘り聞かずにね、自然に出てくる言葉に耳を傾けるの。その人がその人らしく、生ききれるように話を聞くんです」。秋山さんが教えてくれる。

 「生ききる、ですか?」

 「そう。どう生きて、どうしまうか。本人が考えて、周りの家族に伝えておく必要があるんですよ」

 不安や恐れを抱え、ただ「死」を待つのではない。秋山さんたちは、その人が自分らしく、人生を歩き終えられるようサポートする。

 テーブルの上にノートが置かれていた。開いてみると、ここを訪れ、心の重荷を少し下ろした人たちが言葉を寄せていた。ボールペンでつづられた丁寧な長い文章、かわいらしい丸い文字やイラストが描かれたページもある。

 いくつかのメッセージが目に留まる。

 「時には弱くなることもあるけれど、それも自分。ポッキリと折れないように、しなやかに受け流せるようになりたいです」

 「封印していた話を聞いていただいて、心が軽くなったような気がします」

 「なぜか自然と涙があふれ出て…。『ありのままの心』を出すことができたのかなーと思います。自分の気持ちと向き合うことができた!」

 マギーズ東京は、誰でも無料で利用できる。相談時間に制限はなく、患者や家族は話しやすい空間で、納得するまでスタッフと共に答えを探す。本を読んだり、お茶を飲んだり、思い思いに過ごすこともできる。

 オープンから2年8カ月、全国から延べ1万6千人以上がここを訪れている。

2019/6/12

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