OB・OG訪問など就職活動の場で起こるセクハラに、企業と学生の双方が頭を悩ませている。会社を介さない社員訪問は実態を知る貴重な場である一方、被害に遭った学生は選考への悪影響を懸念して申告をためらうジレンマがある。業務との線引きが難しい面があるなか、方針を定めたり相談窓口を外部に作ったりする動きが出始めた。
「入社理由に社風や社員の人柄をあげる学生は多い。期待を裏切る行為を防いでいきたい」。あいおいニッセイ同和損害保険は今年4月、就業規則を改訂した。ハラスメントの対象を「社内外」と明記し、「就活ハラスメントは法的リスク・風評リスクにとどまらず、企業経営においても重大なリスクとなりうる」として、従業員に防止の徹底を通知した。就活生に対するハラスメントが減給などの処罰対象になる。