(10月6日公開の日経電子版から転載)

 ソニーグループの株価が好調だ。9月に上場来高値を付け、時価総額でエンターテインメント界の巨人、米ウォルト・ディズニーを急速に追い上げている。主力のエンタメ分野でゲーム、音楽、映画、アニメを柱とする複合経営の歯車が回り始めた。安定収益を投資に回し、さらなる成長を実現できれば、エンタメ世界首位も夢ではない。

 ソニーGの時価総額は10月6日終値時点でおよそ27.6兆円。QUICK・ファクトセットによるとディズニーは3日時点で2022億ドル(約30.3兆円)で、その差は3兆円弱まで縮まっている。逆転すれば2006年4月以来、約20年ぶりとなる。

 ソニーGは9月29日、金融子会社のソニーフィナンシャルグループを分離上場させた。ソニーGの株価は分離に伴う調整でいったん下がったが、10月6日に9月26日終値(分離調整前ベース)比で2%高まで戻した。経営資源をエンタメに集中させるソニーGへの成長期待は強く、時価総額の目減りを抑えられた。