誰かに伝えたい。「未来」って、こんなのなんだ-。2025年に開かれた大阪・関西万博で、私たちは次世代社会の道しるべとなるさまざまな技術やサービスを垣間見た。医療、エネルギー、食、乗り物…。祭典は終わりを告げたが、指し示された将来像を実装するのはこれからだ。26年が明けた。万博の経験や教訓を胸に、わくわくする未来の実現に挑む兵庫の人々を紹介する。
■波の力で電気を生み出す イエローダック(神戸市北区)

海面にたゆたう「浮き」。その下で、ワイヤでつないだ重りが波に揺られて上下左右に動く。止まることのない動きをエネルギーに変換し、電気を生み出す。
スタートアップ(新興企業)のイエローダック(神戸市北区)は、波の力を生かした「浮体式波力発電」の開発と実用化を進める。太陽光や風力発電に比べ、天候や昼夜の時間帯を選ばず、地球に広がる海の可能性を最大限に生かす。近未来の電力需要を支える存在を目指している。
大阪・関西万博への出展は「これまでの取り組みに誇りを持てた」と中山繁生代表(55)。会場には驚きの声があふれ、閉幕後も企業からの問い合わせが続く。
波間に浮かぶ黄色いアヒル(ダック)が暮らしを救う-。自然の力を利用した夢のようなエネルギー技術は約7年前、中山さんが海辺で見かけた光景から思いついた。(横田良平)
■がん細胞AIが画像識別 ブレイン(西脇市)























