復元された竪穴住居の燻蒸(くんじょう)作業など、遺跡の維持・管理をする弥生倶楽部のメンバーら=たつの市新宮町宮内(撮影・辰巳直之)
復元された竪穴住居の燻蒸(くんじょう)作業など、遺跡の維持・管理をする弥生倶楽部のメンバーら=たつの市新宮町宮内(撮影・辰巳直之)

 ホームに降り立つと、甘辛いしょうゆの香りが漂ってきた。駅舎を囲むように、つくだ煮で有名な「ブンセン」の工場があるためだろうか。

 駅前のロータリー周辺は、シャッターを下ろしたままの店舗跡が目立つ。ただ、近くの龍野北高校生が行き交う様子からは、ここが赤字区間の入り口とは思えない。

 JR姫新線・播磨新宮駅。揖保川と栗栖川に挟まれた駅周辺は、集落や交通の要衝として古代から栄えた。

 「昔は、この商店街も人であふれていた」。新宮中央通り商店街で和菓子店「櫻屋」を営む長澤直人さん(49)が懐かしむ。