
兵庫県の公立一般入試問題について、よく聞かれる質問の一つに、「選択問題が多いのですか?」というものがあります。記述問題よりも「簡単」「正答のハードルが低い」と考えがちな選択問題ですが、侮ってはいけません。今回は、入試における選択問題について解説していきたいと思います。
◆選択問題は多いが決して易しくはない

冒頭の質問「選択問題が多いのですか?」に対する答えは「はい」です。
例えば2026年度の社会では、100点満点のうち実に95点が選択問題でした。残りの5点は用語記述です。他の教科でも選択問題が非常に多く出題されていました。
ただし、単純な語句解答を選択肢に変えているのではありません。
・資料を読み取って正しく記述しているものを選ぶ
・正しい選択肢をすべて選ぶ
・正誤の組み合わせとして適切なものを選ぶ
といったように、その出題形式は多岐にわたっています。
一つひとつの選択肢も、長い文章や複雑な表現が含まれ、しっかり読み込まないと解答できないものが多い印象です。
選択問題が多いから易しいという訳ではないので注意が必要です。
むしろ、読み込む力が不足していると、時間が足りずに難しく感じることでしょう。
◆2027年度の入試でも同じ傾向が続く可能性が高い

兵庫県は志望校を2つまで選べる複数志願選抜を導入しています。ここからは私の予想になりますが、複数志願選抜だからこそ、高校によって採点基準が変わる可能性がある記述問題は出題しにくいのではないかと思われます。
学力の三要素「思考力」「判断力」「表現力」を測るには記述問題が一番です。各学校が独自で出題する推薦入試や特色選抜では、記述問題が多く出題されるのはそのせいです。
しかし、複数志願選抜を採用し、かつ非常に多くの生徒が受験する一般入試では、選択問題の方が適しています。だからこそ、選択問題であっても「思考力」「判断力」「表現力」が測れるように様々な工夫を凝らした問題が用意されているのだと思います。
当面、この出題形式は変わらない可能性が高いでしょう。
◆過去問を必ず解こう

多くの問題集の選択問題は、兵庫県の入試問題ほど複雑ではありません。知識の定着には役立ちますが、入試問題に慣れるには物足りないものがあります。
当日に実力を発揮するために、最低過去5年分の兵庫県の入試問題を繰り返し解き、文章の長さ、問いの形式、時間配分、などを体にしみこませましょう。
また兵庫県の入試形式にそった模擬試験を受けるのもお勧めです。兵庫統一模試は、兵庫県で60年受験指導をしてきた創造学園が、入試問題を分析し、どこのテストよりも兵庫県と同じ形式の出題にこだわって作成しています。
テストで使われている紙の質までも、兵庫県の一般入試と同じものです。是非、日頃の学習成果を兵庫統一模試で試してみてください。そこで得た自分の課題を一つひとつクリアしていけば、確実に合格に近づきます。過去問、そして模試、これが合格へのカギとなるでしょう。
◆2学期も志望校に向けて努力を重ねよう
さて、“夏休みの努力を成果に結びつける”2学期が始まりました。2学期に注意しなければならないことは、新しく習う内容の復習機会が少ないことです。その割に、入試での配点が高いのです。
例えば、多くの学校で公民は2学期から学習するのに、入試の配点は30点あります。英語や数学も、2学期に習ったことを使わないと解けない問題が多々あります。
実力対策のための復習の時間と、今習っていることを早く定着させるための時間と、両方バランスよくとって学習を進めてください。これから日が経つと不安感や緊張感は増してくると思いますが、勉強の不安は勉強することでしか解消されません。まだまだ日は残されています。志望校合格に向けてがんばってください。
<執筆者>株式会社創造学園常務取締役・手嶋孝紀
兵庫県を中心に100教室以上を展開する株式会社創造学園の総合進学塾エディック・創造学園にて教室責任者、学区責任者、研修、教務など、あらゆる部署を歴任し、教育現場から経営まで幅広い経験を積む。現在は常務取締役として教務のみならず会社全体を統括しながらも、「教務のトップである限り現場を離れない」という信念を貫いている。どれほど多忙でも教壇に立ち、生徒と共に学ぶ姿勢を崩さない。その現場での気づきが、新しい教材や指導法の開発へとつながり、創造学園全体の教育力向上を牽引している。























