大阪で目撃された子猫の救出劇がSNS上で大きな注目を集めている。
「子猫がすごいとこにいる 船ないと助けれないんだけど警察に電話でおkですか?」と画像、動画を交え一連の経過を紹介したのはあるさん(@eromia)。
大阪市城東区の城北川で釣りをしていたあるさん。川中に浮かぶ橋脚のわずかなスペースに迷い込み、出られなくなった子猫を発見し、消防に救出を依頼したのだ。
怖がって逃げようとする子猫と、橋から梯子で橋脚に降り、必死の救出を試みる消防士たち。しまいに子猫は川に飛び込んでしまうのだが、すんでのところで網にすくわれ、長い救出劇はようやく幕を閉じたのだった。
あるさんにお話を聞いた。
--子猫を発見したシチュエーションは?
ある:釣りに訪れたのですがずっと子猫の鳴き声がしており、私のいる下流川の橋脚に出てきた時に発見しました。数メートルの幅の橋脚を行ったり来たりしていました。
--救出までにどれくらいかかったのでしょうか?
ある:通報から保護までちょうど2時間ほどでした。発見したのは午前6時頃。そこから対岸に回り込んで消防さんに電話したのが6時10~15分頃だったと思います。
--ドキドキの救出劇でした。
ある:川に飛び込んだ後、すぐに別の消防士さんが追いかけたようで、網ですくってくださいました。子猫がいたのは南菫橋の橋脚で、そこから上流方向に泳いで行きました。右岸は足場の高いところが続く場所で、子猫の姿をみるには足場の良い左岸に行く必要がありましたが、消防士さんは1m程度の右岸の壁を登って子猫を掬ったのではと思います。泳いで行って2分程度で保護されたようです。
--その後の子猫は?
ある:子猫はすぐに消防士さんの車の方に連れて行かれてのだと思います。保護の瞬間や保護された子猫の姿は見ておりません。最初に駆けつけてくださった消防署の方が保護したと報告してくださいました。飼われますかと尋ねられましたが、私は独り身で仕事でほとんど家を空けているため、飼えないと伝えました。野良なので警察と消防で相談してどうするか考えますということでした。
--投稿に大きな反響が寄せられました。
ある:救出には税金がかかっていることや、私が引き取りをしなかったことへのお叱りの声も多く、攻撃に近いようなリプライや引用リポストもたくさんありました。2日くらいそれを見続けるとしんどくなってきました。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「『そんなことで警察や消防を呼ぶな』という声もあるかもしれませんが、私はこの行動はとても称賛されるべきだと思います。このような行動や発信が、同じように考えたり行動したりする人を増やし、より大きな助け合いへと広がっていくと思いました!」
「うちの自治体の消防署は、助けたいと思った命があったら呼んで下さいと言ってくれたと知り合いが言ってた。 その後要請した友人が保護団体さんに少額の依頼金をお支払いして、人馴れから保護猫カフェ店員になり里親さんに繋がったらしい。」
「本来、こういう声に応えるためにも警察や消防はあると思う。 本当は大騒ぎして動物を怖がらせずに保護するスキルを身につけたアニマルレスキューを日本も導入してほしい。」
「こういう時はどうするのが正解なんでしょうね。 リプ欄を読んでたら色々考えてしまった(´ω`)」
など数々の安堵の声、驚きの声が寄せられた今回の投稿。一部で心ない批判もあったが、経緯から判断するにあるさんはどう考えても善意から通報しており、子猫を引き取らなかったからと言って批判されるいわれはない。SNS上にもっと健全で客観的な感覚が育ってくれることを願うばかりだ。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)