30年ぶりに筆をとったお母さんの作品。優しさがあふれています(画像提供:形が定まらない犬さん)
30年ぶりに筆をとったお母さんの作品。優しさがあふれています(画像提供:形が定まらない犬さん)

「母が犬のこと好きになった結果、30年ぶり? とか絵を描き始めたらしいんだけど、絵がうますぎる。本人は下手と言ってるけど…。うますぎる気がするんだけどな…」

そんなコメントとともに、Xユーザー・形が定まらない犬さん(@papoter_dog)が投稿したのは、2枚の写真。それぞれには、お母さまが描いたカンバス作品が3点ずつ並んでいます。

1枚目に描かれていたのは、すやすやと眠る白い犬。2枚目には、草原の中にたたずんで笑みを浮かべる犬、そして2匹の犬が仲良く並んで歩く姿が描かれています。

どの絵も、優しいタッチと色合いで、見る人の心をほっと癒やすような温もりにあふれています。母の才能に驚きつつも、その魅力を信じて投稿したこの写真には、7.6万件超の“いいね”が寄せられました。

驚くことに、その後うれしい展開がーー。

「みなさんに褒めてもらえたのがすごく嬉しかったみたいで、母がインスタアカウント作りました。とりあえず絵を描き続けたいということです!ありがとうございます!」

投稿主さんも大の犬好きで、愛犬「パポ」くん(1歳・男の子)と一緒に暮らしています。あたたかな家族のストーリーについて、詳しくお話を伺いました。

■お母さんが“久しぶりの筆”を取ったきっかけは?

ーーお母さまが再び絵を描くようになったきっかけを教えてください。

「学生のころ、有名な先生のもとで絵を習っていた時期が3年ほどあったそうです。私がデッサンに悩んでいると『こうするといいよ』と教えてくれることもあり、母が絵が上手いのは知っていました。ただ、本格的に絵の具を買ってキャンバスまで用意して描くのは、今回が初めて。パポの存在が大きいと思います」

ーーお母さまが犬好きになられた理由は?

「母が子どものころ、一緒に暮らしていたスピッツのかわいい子がいたそうです。その記憶が今も大きいようで、パポのことも溺愛しています」

ーー投稿された絵の犬にはモデルがいるのでしょうか?

「白い犬はうちの子ですが、他は散歩中に会ったわんちゃんたちを参考にしたと聞いています」

ーーお母さまの絵を見たときの感想を教えてください。

「自分の親ながらに『うま、描くのはやっ』と思いました(笑)」

ーー投稿が大きな反響を呼びました。どのように感じられましたか?

「違う分野ではありますが、私も作家業で生計を立てているので、自分が作ったものが評価され、求められることのありがたさは身に染みています。だからこそ、せっかくの機会を母にも大切にして、絵を描き続けてほしいです。それに、最近母が仕事を辞めてぼんやりしていたので、娘としては『ボケ防止にやったれ!』と、背中を押しています(笑)」

ーー使っている画材や、描くテーマにこだわりはありますか?

「特にこだわりはないようですが、『犬たちが幸せな瞬間を描いていけたら』と言っていました」

ーー今後、お母さまと一緒にやってみたいことは?

「私は“マンガ絵”なので、一緒に個展をするのは少し難しいかなと思っています。ただ、母の個展については『元気なうちに一度でいいから開いてほしいね』と父と話し合っているところです。長年、家族を支えてくれた母だからこそ、今度は私と父でしっかり支えていけたらと考えています」

リプ欄はあたたかい言葉にあふれました。優しい筆致が生んだ絵の数々に、こんな声が寄せられています。

「わんこが大好きな人の絵だ」
「こういう絵がすごく大好きなのでほしいです」
「お母様の優しさがにじみ出ている、とっても優しい絵」
「わんちゃんへの愛情がふれていて癒やされています。素敵です」
「優しい絵に感動しました。販売など予定がありましたら購入したいです」
「これはうますぎますね。ぜひうちの子もモデルにして欲しいくらいです」
「デッサンをしたことない人の絵ではないですね。構図とか抜き方とか心得てる感じ。魅力的な絵ですね」
「本当に犬が大好きで大切なんだと何も言われなくても伝わってくる絵柄で、思わず笑顔になりました。素敵な絵を見せてくださってありがとうございます」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)