もしかして......お化け?と思うような背筋が凍るような体験は誰しもしたくはないですよね。王道ともいえるホラーな状況下に陥ったイラストレーターゆう-ノープロブレムキャットさんの実体験を描いた漫画『本当にあった怖いはずの話』が人気を集めています。
ストーリーはゆうさん夫婦が温泉旅行に行ったところから始まります。昼間に観光を楽しんだゆうさんたちはカーナビをセットし、「よし、そろそろ旅館目指すかぁ」と車で今夜泊まる予定の旅館に向かうのでした。
初めは順調に大きな道を進んでいきますが、カーナビの指示通りに進んでいくと、なぜかどんどん山道に誘導されていくのです。どう見ても誰にも使われていない狭い道にゆうさんは不安を募らせます。
更に道を進むと「目的地に到着しました、運転おつかれさまでした」とカーナビが連れてきた場所はなんと見知らぬ墓地でした。ゆうさんは王道だぁと内心ツッコみつつ「ヒェェェェ」と恐怖におののいてしまいます。一方、この状況でも冷静なゆうさんの夫は、おもむろに手をスッと挙げたかと思うと、ドガァンッとカーナビに一撃を食らわせたのです。
「おつかれさまじゃないでしょ、ちゃんと案内しなさいよ」と言いながら、淡々とした様子でカーナビを叩く夫に助手席のゆうさんは衝撃を受けます。一撃が効いたのか、カーナビは旅館へと案内を始め、夫は何事も無かったかのように再び車を走らせるのでした。
その道中、ゆうさんは呆然とした様子で「こいつ......王道のホラーを拳で黙らせやがった......」と怪奇現象を叩いて説教する夫にドン引いていました。この後、無事に旅館にはたどり着けたそうです。
ゆうさんの夫は怪奇・心霊を信じておらず、「叩いたら直るかなって」という昭和的対処法でピンチを切り抜けたのだそうです。コメント欄では「怖がったら負けということか!」「旦那さん強すぎ」「なんだかんだ昭和こそ最強」など驚きと笑いの声が多く寄せられました。同作について、作者のゆう-ノープロブレムキャットさんに話を聞きました。
■実は人生で2回目の怪現象
ーこの作品を描くきっかけなどあれば教えてください。
この漫画を描く直前に、夫の車のカーナビが壊れたんです。DVDを入れたら再生もできないし、出てこなくなってしまって…それを助手席から見ていて、「そういえば以前、カーナビが変なことになったことがあったなあ」と思い出したんです。せっかくだしフォロワーの皆さんにも共有しよう、と思って漫画にしました。
ーこのような心霊現象は初めてだったのでしょうか?
実は人生で2回目の怪現象です。1回目の時は夫と結婚する前のことなので、随分前のことなのですが…。当時働いていた職場で休憩中、変な電話がかかってきまして…これについては心霊現象なのか、それとも人為的なものなのかは未だにわかっていないのですが、こちらのお話も漫画にしていますので読んでみて頂けるとうれしいです。(『あの世から電話がかかってきた話』
ー夫さんが頼りになったエピソードを教えてください。
大人数でカラオケに行った時なんですが、あまり歌が得意でない私はみんなの歌を聞く役に徹していました。けれど歌って歌って~!!の流れになってしまい、さてどうしたもんかなあと思っていた時に、横から夫氏がひょいとマイクを取り上げて代わりに歌ってくれました。ちなみに夫氏は私を上回るドがつく音痴で、まったく、ひとつも音程があっていない中島みゆきさんの「糸」を身振り手振り付きで熱唱してくれ、みんなを涙が出るほど笑わせてくれました。その時に「なんて頼りになる男なんだ…」といたく感動したのを覚えています。
ー今後挑戦したいテーマを教えてください。
普段はやらかしがテーマのエッセイマンガを描いていますが、いつか大好きなホラーをテーマにしたオリジナル漫画も描いてみたいなと思っています。たくさんの方に楽しんでいただけるように、これからもたくさん発信していきたいです!
(海川 まこと/漫画収集家)