ダイエットを始めようと決意した人であれば、一度した決意が緩みそうで悩んでしまうことはあるでしょう。たとえば美味しい食べ物の誘惑を目の前にすると悩まされてしまうものです。Instagramで漫画を投稿している矢尾いっちょさんが投稿した作品『楽して痩せたい』では、そんなリアルな心情が描かれ、共感を集めています。
物語は主人公・餅屋さんがダイエットを決意する場面から始まります。会社の後輩・ゆかりちゃんに食事制限や運動を勧められたものの「楽して痩せたいの!」と強い意志を見せる餅屋さん。
そこへ現れたのが餅屋さんの想い人のなおき君は、ダイエットの話を聞いたにもかかわらず「美味しいラーメン屋を見つけた」と誘惑するような提案をします。さらに、減量中にあえて食事制限をなくすチートデイを今日にすればとまで言い出すのでした。本来、減量初日にやっても意味がないことは理解していますが、なおき君は餅屋さんにぽっちゃりしていて欲しいと思っており、なんとかダイエットを阻止しようとします。
ご飯に誘われて嬉しい反面、ダイエットを意識して揺れ動く餅屋さん。そこでゆかりちゃんがヘルシーな鍋を提案し、その結果、2人は鍋屋さんでデートするのでした。同作について作者の矢尾さんに話を聞きました。
■「痩せたい」と「ぽっちゃりでいい」の攻防戦
ーこの作品が生まれたきっかけを教えてください!
SNSで作品を投稿していく中で、「共感性の強い作品づくり」を目指したのがきっかけです。そのうえで「痩せたい!」という多くの人と共有できる内容で、かつ私の経験をふんだんに盛り込めそうだと思い、今作が生まれました。
ーなおきさんはふっくらした餅屋さんが好きな設定なのでしょうか?
なおきはこのままふくよかな餅屋さんでいてほしいと思っています。そこら辺を深堀りしたエピソードも過去の投稿やAmazonのkindleにて無料配信していますので、ぜひみなさまにお読みいただけると嬉しいです!
ーキャラクター作りで気をつけていることなどあれば教えていただきたいです!
それぞれがどういう役割で本作に関わるか、ということは意識しています。なおきくんは「ぽっちゃりでもいいじゃん!」という意見の代弁者、餅屋さんは「痩せて綺麗になりたいけどダイエットはつらい!」といった具合に、物語で何をしてほしいキャラクターかを最初に考え、そこから発展させていくことが多いです。
(海川 まこと/漫画収集家)