和歌山を代表する純喫茶のルーツ探しがSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは株式会社またたび研究所の公式サイトアカウント(@matatabilabo)による呼びかけ。
「大阪劇場(大劇)のそばにあった翡翠という喫茶店の写真等をお持ちの方を探しております!」
1964年に髙木淳彰(たかぎ・ただあき)さん、和子(かずこ)さん夫妻が、和歌山市ぶらくり丁に開業した「純喫茶ヒスイ」。ヨーロピアン調のゴージャスな内装で知られるが、これは夫妻が1955年頃に当時、大阪市中央区千日前2丁目の大阪劇場付近にあった喫茶店「翡翠(ひすい)」を訪れ感銘を受け、許可を取った上で同じ設計者に依頼して建てたものだという。
ヒスイは2019年に一度閉店したものの2024年に営業再開。昭和の文化の香りを留める純喫茶として今なお多くの人に愛される名店にそんなルーツがあったとは。
またたび研究所の代表にお話を聞いたところ
「8月に初めてヒスイを訪れたのですが、先代からお店を引き継いだ娘さんご夫婦とお話が盛り上がり、建物や内装について質問したところ大阪の翡翠のお話を教えていただきました。ただ話には聞いているが翡翠の様子がわかるような写真はまったく無いとのこと。先代が感銘を受けたというお店への興味と、設計者まで探し出し和歌山でお店を再現した情熱に感動し、微力ながら何か出来ないかと考えて投稿致しました」
ということ。
今回の写真募集について
「大阪の翡翠は豪華な宮殿風の建築で、音楽喫茶として有名だったそうです。今は亡き父母が愛したヒスイのルーツである翡翠がどのようなお店だったのかわかると嬉しいです」とヒスイの現オーナーで髙木夫妻の娘、太田千歌(おおた・ちか)さん。
株式会社またたび研究所、ヒスイでは引き続き写真を募集中。心当たりのある方はぜひご連絡いただきたい。
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ヒスイ店舗概要
所在地:和歌山県和歌山市中ノ店南ノ丁9
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)