夜の住宅街でも、存在感抜群です/魚の目(Lv.35)さん(@uonome5150)提供
夜の住宅街でも、存在感抜群です/魚の目(Lv.35)さん(@uonome5150)提供

深夜の住宅街で職務質問を受けたときのことです。住所を伝えたところ、警察官の口から出たのは意外な一言でした。

「お家の恐竜、ラプトルですよね?」

そう声をかけられたのは、2児の父・魚の目(Lv.35)さん(@uonome5150)。自宅の庭には、全長2メートルを超える恐竜オブジェ“アロちゃん”が立っており、いまや地域の人気者になっています。

きっかけは2022年8月、妻の「恐竜が欲しい」という一言でした。

「最初は庭にキンモクセイを植える予定でしたが、手入れが大変なので断念。代わりにAmazonで見つけたのが、この全長2メートル超のアロサウルスでした。値段と大きさのバランスで、この子に決めたんです」と、語る魚の目さん。

「アロちゃん」と名付けられた恐竜は、子どもたちが毎朝「行ってきます」「ただいま」と声をかけるほど家族の一員に。雨や雪の日には「かわいそう」と心配するなど、生活の中に溶け込んでいます。

ただ、維持は容易ではありません。FRP(強化プラスチック)製のため、紫外線対策に特殊なクリア塗装(約5万円)を施したものの、昨年は背中に亀裂が入り、修理に7万円もかかったといいます 。

それでも世話を続けるのは、地域で愛される存在になっているからです。季節やイベントごとに衣替えをするのが恒例となり、ハロウィンや正月の衣装は近所で話題に。「今日は何も着てないじゃないか」と本気で指摘されたこともあるといいます。

正月には頭に鏡餅を載せたところ、通りすがりのおじさんが手を合わせて参拝していたことも。また、ファンからクリスマスプレゼントや似顔絵、コスプレ用の服を貰うこともあるそうです。

魚の目さん自身もミシンで衣装を手作りすることがあり、特にセーラー服やメイド服は好評で、夜間ライトアップされた姿は地域の撮影スポットにもなっています。

そんなアロちゃんの存在は、地元の警察官にまで知られるており、魚の目さんが職務質問を受けた際も、「お家の恐竜、ラプトルですよね?」と声をかけられるほど。魚の目さんが「いえ、アロサウルスです」と応じたことから、思わぬ“恐竜談義”に花が咲いたそうです。

住所を伝えると、警察官は目を輝かせ「お家の恐竜、ラプトルですよね?」と一言 。そこからは職務質問そっちのけで“恐竜談義”に花が咲いたそうです。

SNSに投稿されたエピソードには、「うちも玄関に欲しいです」「いつか(自分も)アロちゃんに会いに行きたい」といったコメントが寄せられていました。

一体の恐竜オブジェが、家族の愛情とユーモアによって、地域社会と心を通わせるかけがえのない存在となっているようです。