子育てをしていると、つい忘れものをしてしまったり、約束を守れなかったりすることがあります。どんなに気をつけていても、忙しさや疲れからうっかり忘れてしまうことは誰にでもあることです。そんな体験を描いた漫画『ママ友からの言葉』(作:幸せまつ子さん)が、SNSで共感を集めています。
それは、まつ子さんの息子が幼稚園へ行っていた頃の出来事でした。ある日、息子が「幼稚園が終わったら友達と公園でそりすべりをしたい」と言い、お迎えの時にソリを持ってきてほしいとお願いしてきました。
まつ子さんも快く約束をしたのですが、その日にうっかりソリを忘れてしまったのです。楽しみにしていた息子は激怒し、「嫌い!」「もう知らない!」といった言葉とともに、蹴ったり叩いたりもされてしまいました。
落ち込んでいると、同じクラスのママ友が声をかけてくれました。事情を話すと「私も同じことやったことあるよ」と笑いながら受け止めてくれたのです。そして「息子くんは気持ちをちゃんと出せてすごいね」「謝っているまつ子さんもすごい。子どもは親がきちんと謝っている姿を見て尊敬するんだよ」と励ましの言葉をかけてくれました。
その当時、子育てに悩み、うまくいかないと感じていた時期だったまつ子さんは、ママ友の言葉にとても救われたのだそうです。そこで同作の作者である幸せまつ子さんに、詳しい話を聞きました。
■ママ友の言葉がなかったら、ずっと沈んだままだった
ー息子さんに怒られた時、一番辛かったのはどんな瞬間でしたか?
ひたすら謝るしかできないことがツラかったです。楽しみにしていた息子の気持ちを思うと申し訳なくて、公園遊びを台無しにしてしまったことが本当に苦しかったです。
-ママ友の言葉を聞いたときのお気持ちを。
周りにはたくさんの人がいて、必死に謝っている自分の姿を見られているのが恥ずかしく、居たたまれない気持ちでした。そんな中でかけてもらった言葉だったので、自分の子育てを優しく肯定してもらえたようで、涙が出そうになりました。ママ友の言葉がなかったら、ずっと沈んだままだったと思います。
-そのときの言葉は、今でも意識していますか?
はい。子どもに対しても大人に対しても、誠実に謝ることを忘れないように心がけています。このときの言葉は、今も私の支えになっています。
(海川 まこと/漫画収集家)