馬をシマウマに見せかける虫よけ方法がSNSで話題になっている。
これは虫が光の反射を嫌う性質を利用した殺虫剤を使わない虫よけ方法だ。
2025年9月、黒毛和牛にシマウマのような白黒の縞模様を描くと、体につく蚊などの吸血昆虫が半減するという研究がイグノーベル賞を受賞した。これは馬にも有効で、すでに馬にかぶせるシマウマ柄の防虫カバーなどが流通しているそうだ。
投稿主である特定非営利活動法人日本乗馬普及協会の代表、戸苅宏元さんに話を聞いた。
ー馬界隈では受賞前から活用されていた方法だったんですか?
戸苅:今回のイグノーベル賞の研究は、愛知県農業総合試験場と京都大学の共同研究チームが2019年に発表したもので、馬界隈でもとても有名です。原理については知りませんでしたが、ゼブラ柄が防虫効果があるのはそれ以前から知られていました。
ー投稿に掲載されていたシマウマ柄のカバーについて。
戸苅:「フライシート」と呼ばれ、ハエ・アブ・蚊などの虫から馬を守るためのアイテムです。画像はシマウマ柄のものですが、可愛いものからカッコイイものまで様々なデザインがあるんですよ。
ー馬も蚊は嫌いなんですね。
戸苅:ハエ・アブ・蚊などは馬にとっても私たち人間と同じく嫌な存在です。リラックスした放牧時間を過ごすためにもフライシートは大切な役割を担っています。放牧でリラックスできなければストレス発散もできません。虫を嫌がって蹴る動きをする時があるのですが、牧柵などを蹴ると怪我をする可能性もあるので、虫よけは大事な問題なんです。
ー今回の受賞発表を聞いて。
戸苅:イグノーベル賞を受賞された皆様、心からおめでとうございます。世界の見方を少しだけ変える魅力的な研究だと思いました。果たして私たち2足歩行の人間にも効果があるのかも気になるところです(笑)。
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SNSでは「人間もゼブラ柄の服を着ればいいのか」「どれくらいの太さがいいのか気になる」「キメラ感がすごい」「気痩せ効果ももある」「縦と横では違いがあるのかな?」などの反響が寄せられた。やたら蚊にさされやすいヒトも、試してみてはいかがだろうか。
(まいどなニュース特約・米田 ゆきほ)