出産直後の体は思うように動かない(しまださん提供)
出産直後の体は思うように動かない(しまださん提供)

育児も仕事も、最も大切なのは頼れる『戦友』なのかもしれません。原作しまださん・作画初瀬白さんの作品『WWM -極悪レスラー、ママになる-』では、悪役レスラー・孤魔千(こまち)が育児に奮闘する姿が描かれています。

女性レスラー・黒鉄エリザベスこと黒崎エリカは、訳あってワンオペ育児です。最初は育児なんて何とかなると思っていましたが、痛みと疲労で倒れ込んでいました。そこへライバルレスラー・孤魔千こと丸井小町が来訪し、思わずエリカは泣き出してしまいます。

実はエリカの子・恵利央くんは、昨日からミルクを飲まず、エリカは困り果てていました。それを見越した小町は『哺乳瓶の乳首コレクション』を持ってきていたのです。このコレクションのお陰で、恵利央は無事にミルクを飲み干しました。

その後小町は、産後体を冷やしてはいけないとエリカの皿洗いを止め「産褥期ぜってェ安静にしてもらう」と1週間泊まり込みを宣言します。それでも心配なエリカは、夜中にそっと恵利央の様子を見に来ました。

しかし、小町にバレてしまい「今休まないと長いこと引きずる」と忠告されます。加えてエリカのスマホの検索履歴には『ママ 失格』『赤ちゃん 傍にいてあげられない』などのネガティブな履歴が…これを見た小町は「今はそれを考える時間じゃねェ 明日まで没収だ!」とエリカからスマホを取り上げます。

その甲斐あって、エリカは9時間も熟睡しました。小町の滞在する1週間、栄養満点の食事、静養、散歩など、産褥期を理想的に過ごすことができたのです。

小町はエリカに「万全のお前がリングに再び上がるの…待ってるからな」と告げ、グータッチを交わして家を後にします。そしてエリカが今日からまたワンオペ育児…と思った矢先、玄関のチャイムが鳴ります。

玄関にいたのは身長2m超の女性レスラー、ビッグ・乙女でした。実は産褥期を終えるまで、交代でレスラーたちがエリカの面倒をみようと決めていたのです。

同作を読んだ読者からは「うちの子も哺乳瓶変えたら飲むようになった」「素敵すぎて涙が出る」など共感の声が挙がっています。そんな同作について、原作のしまださんに話を聞きました。

■育児は大変でも笑い飛ばせるような作品を

-作品において、趣味などを反映している部分もあるのでしょうか。

プロレスも育児も初めて扱うテーマなので、色々と調べものをしたり、読んでいるお方とズレがないように気を付けながら描いています。

それでいて、ギャグ漫画なので笑って頂けることを目標にしております。

-主人公の孤魔千や周囲のキャラクターを描くにあたって、特に意識している部分はありますか。

育児は大変だという事が大前提ですので、育児をしているお方が楽しく読めるような、気合いで暗さを跳ね飛ばせるようなキャラを心掛けています。

もちろん育児が未経験のお方にも笑って頂けるように意識しています。

また、作画してくださっている初瀬先生のキャラデザにすごく助けられています。プロレスの衣装やバトルシーンが圧巻です。毎話感動しながら見ております。

-最後に、読者の方々へメッセージをお願いいたします。

単行本2巻が10月3日に発売となりました。『WWM 極悪レスラー、ママになる』をぜひよろしくお願いいたします!

(海川 まこと/漫画収集家)