クマのイメージ写真(Antonioguillem/stock.adobe.com)
クマのイメージ写真(Antonioguillem/stock.adobe.com)

各地でクマによる人的被害が相次ぐ中、猟師の男性がSNSに投稿した写真が注目を集めている。体重70キロあるツキノワグマの手足の裏側。肉厚な手足は皮に覆われ、甲には鋭く湾曲した形の爪5本が隠されている。凶暴性を伝える1枚に、ネット上では「そりゃ、この手で振りかぶってこられたら顔の皮剥がされるわ…」「人間の70キロと全然違う」などの声が寄せられている。

■クマの骨をトンカチで叩いたら…

投稿したのは、長野県でジビエ加工施設を営むX名・信州ジビエ職人さん(@nekota_gorou)。行政から依頼を受け、クマやイノシシなどの捕獲・駆除も行っている。「今年の捕獲数は4頭と少ないですが、地元での目撃、農業被害は例年以上に多いです。以前は夜間にリンゴを食べに来るくらいでしたが、最近は早朝、夕方にも出没が増えています」と状況を説明する。

この日、Xに投稿したのは、今月の有害駆除で捕獲された個体。リンゴの食害が報告され、クマ用の罠で捕獲し、猟銃でとどめを刺した。大きさは測定していないが、「手は人間の5倍くらい重いです。骨も強くて、イノシシやシカと比べても圧倒的に硬い。以前、骨を砕こうとトンカチで叩きましたが、全く砕けなかったです。ニュースでも人的被害が報道されていますが、まともにパンチをくらったら首の骨をやられますね」と話す。

一方、足は手よりも小さいという。「肉球はとても硬いのでクリのイガ踏んでも痛くないし、有刺鉄線も簡単に登る感じです」

■クマの出没が増えた理由とは

ではなぜ、山奥で暮らしていたクマが人里に出没するようになったのだろう? 男性は、クマの個体数が増えたことを指摘する。「クマが増え過ぎてテリトリーを追い出されたり、クマを維持できるエサがなくてエサを求めて山から降りてきたりしているのではないでしょうか」と推測する。

また、ニホンジカも爆発的に増えているといい、クマのエサの一部がシカに食べられ、エサが少なくなったことも考えられるという。「シカは、クマも食べる落ちたどんぐりも食べますね」と男性。このほか、里山の過疎化、耕作放棄地の増大、放置された柿など果樹の放置、ハンター人口の減少…といろんな要因が絡んでいるという。

(まいどなニュース・山脇 未菜美)