今から6年前、地域猫として日々を必死に生きていた「テト」ちゃん(年齢不明・女の子)。出会ったときはすでに成猫でした。ある大雨の日、Xユーザー・テトにゃんさん(@tetonyan3347)は、偶然テトちゃんに目が留まります。このときから、ふたりの運命は動き出しました。
■冷たい雨に打たれていた猫ーー運命を変えた出会いの日
2019年6月4日、雨でずぶ濡れになっていたテトちゃん。外で暮らす猫の過酷な環境を目の当たりにして、飼い主さんはいてもたってもいられなくなりました。
「私は過去に、犬や猫、鳥と暮らしたことがありました。このとき、テトをひと目見た瞬間、『かわいいな』と思ったんです。びしょ濡れになっているテトを『このままではかわいそう。我が家で保護できないだろうか』と考えはじめました」
飼い主さんは、すぐに行動に出ます。保健所に連絡し、テトちゃんを保護したいと相談したところ、捕獲機を貸してもらえることになりました。
「テトが、自宅まわりに来てくれるようにご飯を与え、タイミングを見計らいました。しばらくして、幸いにも捕獲機に入ってくれたのです。家に連れて帰ろうと捕獲機を持ち上げると、テトは暴れ出しました。その激しさたるや、しっかり足を踏ん張らないと倒れてしまいそうになるほどだったのを覚えています」
こうして新たな猫生を歩むことになったテトちゃん。すでに成猫で、正確な年齢はわかりません。「ほぼ一目惚れ」だったと語る飼い主さんにとって、テトちゃんとの出会いは運命を感じるものだったのです。
■夜鳴きが続きーー友人らに励まされた日々
保護した直後、テトちゃんは動物病院へ。健康状態を確認した後、自宅ではケージの中でじっと固まって過ごしていました。声をかけるにも物音を立てるにも気を遣いながら、飼い主さんはそっと見守ります。
「保護当日は、ケージの中のトイレにうずくまったまま動けずにいました。しばらくは部屋の中へ出てくることもできなかったんです」
ようやく一歩を踏み出したのは、しばらく経ってから。ところが安心したのか、夜になると大きな声で鳴き続け、ご近所に迷惑をかけてしまうこともありました。警戒心は強く、威嚇の「シャーシャー」もなかなか収まりません。
「血尿が出たため、3~4カ月ほど投薬や検査のために通院もしました。『家猫になることが幸せなのだろうか』と悩む時期もありました。でも、フォロワーさんからの優しい言葉に励まされ、険しかった顔つきが少しずつ和らいでいくのを見て『迎えてよかった』と心から思いました」
■人を恐れる心は残ってもーー変わらず伝えたい思いとは
今もテトちゃんは、なかなか人に触れさせてはくれません。猫パンチを繰り出し、威嚇の声をあげることもあります。それでも、飼い主さんにとってはかけがえのない存在です。
「外で生きてきたからこそ、人間が怖いのは仕方がないと思います。それでも私はテトが大好き。『人間は怖い人ばかりじゃないよ。安心して甘えてくれたら嬉しいな』と伝えたいです」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
























