ペコとカビゴン
ペコとカビゴン

ポケモンのカビゴンのぬいぐるみと一緒に寝る子牛が、かわいすぎるとSNS上で話題になっている。

北海道石狩郡当別町にある「牛たちのかくれ家」公式Xが動画で紹介したのは、子牛がカビゴンのぬいぐるみに寄り添う場面。ぬいぐるみのフワフワなお腹に顔を置いて、ウットリとカメラをみつめる様子は「可愛すぎる!」と反響を集め、1.1万いいねを獲得した。

「牛たちのかくれ家」は不幸な理由から酪農の世界で生きられない乳牛たちの終の住みかとなる牧場だ。投稿した代表の関口晴実さんに話を聞いた。

ー撮影された時の状況は? 

関口:牛のペコちゃんにぬいぐるみをプレゼントしたら、次の日に寄り添って寝ていたので可愛くて撮影しました。

ーこの牛にとって、ぬいぐるみはどんな役割があるものですか?

関口:ペコちゃんは生まれつき平衡感覚や運動機能に難があり、自由に立って歩くことができないんです。牛は群れで生活する動物なので一頭では寂しいかと思い、ぬいぐるみの友だちをプレゼントしました。

ープレゼントして以来、ペコちゃんとぬいぐるみの関係はどうですか?

関口:毎日一緒に寄り添って寝ています。安心できる存在と思ってくれていたらいいな、と思っています。

ー「牛たちのかくれ家」は行き場を失った牛たちの新しいおうちだそうですが、Xに登場する他の牛さんも家畜としては暮らせない理由があるんでしょうか。

関口:そうなんです。他に2頭、まめちゃんとすけみんという子がいますが、メスだけど妊娠ができない、つまり乳牛として生きられなかった子たち。本来であればオス牛と同様に肥育牧場で引き取られるのですが、この2頭は引き取り手が見つかりませんでした。

ここでは、そんな家畜動物として生きることができず行き場を失ってしまった牛たちが、牛らしく幸せに生きられる場所を目指しています。

ー関口さんは、どんな思いでこの仕事を?

関口:まずは、牛たちのかくれ家に来た子たちが愛情たっぷりに幸せに生きてほしいと思っています。SNSを通して牛たちの魅力、個性を知ってもらうことで、家畜動物として生きる牛たちや動物たちの幸せについて考えるきっかけになることを願っています。

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SNSでは「可愛すぎやろ」「泣けてくる」「素敵なお友達ができたね!」「カビゴンもきっと嬉しいね。」などの反響が集まった。なお「牛たちのかくれ家」インスタグラムでは、かわいい牛たちの動画も配信中。安楽死される可能性もあった牛たちが幸せに暮らす様子を見ることができる。

(まいどなニュース特約・米田 ゆきほ)