石井正己さん
石井正己さん

 柳田国男は、数え13歳の1887(明治20)年、茨城県の布川(ふかわ)(今の利根町)で医院を開業した兄の松岡鼎(かなえ)の元に身を寄せた。両親と弟たちは北条(今の加西市)にいて鼎は仕事で忙しく、寂しい生活だったので、しきりに近所の人と付き合って土地の観察をした。自伝「故郷七十年」の「布川のこと」では、新しい経験を重ねた驚きを語っている。