「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載中の『廻刻の勇者』(原作:四葉夕ト、漫画:佐藤貴彬 )は、魔族によって人間の領土が侵食されている世界を舞台に、勇者の紋章を宿し、かつ時を超える力を持った主人公「バルト」のドラマを描いた作品です。以前X(旧Twitter)に第1話がポストされると、6000を超える「いいね」が寄せられています。
■覚醒する17歳まであと少しのところで魔族の敵襲が…
舞台は永きにわたって魔族の侵攻を受けて危機的状況のグラール王国です。人類の希望として周りから注目されていた勇者の紋章を宿す少年・バルトは、日々幼馴染の女騎士・サリアと剣術の稽古に励んでいました。
しかし、サリアとの試合の結果は10年間で全戦全敗のバルト。とはいっても勇者の紋章を宿す者には“17歳になった時、覚醒する”という言い伝えがあり、現時点で実力がなくても、あと少しで17歳になるバルトに大きな期待がかかっていました。
そして、バルトの誕生日当日、王国の騎士たちは里周辺の魔族を一掃するために出陣しました。当然バルトは戦いに参加できず、騎士たちの帰りを待ちます。その日の夜、無事に戦いから帰還した騎士たちはバルトの誕生日会(17歳になる1時間前)を開いてどんちゃん騒ぎ。また魔族の襲撃に備え、結界を張ったうえに警備も平時の2倍という厳戒態勢でした。
このまま楽しい一夜を終えるかと思いきや、パーティー会場に瀕死状態の騎士がやってきて「敵襲…です」「魔族が」という言葉を残し絶命してしまいます。途端に隊長のディグルは総員に勇者護衛プランを宣言し、バルトを地下に放り込んだのち、魔法による鎖で拘束しました。まだ覚醒していないバルトを死なせるわけにはいかず、騎士たちは全員で魔族の敵襲に立ち向かおうとしていたのです。
さらに魔法でバルトの顏、体に変化させたサリアは、バルトの身代わりとして魔族との戦いに向かいます。地下に幽閉されたバルトは出すように訴えるも、魔族によって倒される騎士たちの断末魔の叫びを聞くことしかできません。
そして、17歳を迎えて“真の力”が目覚めたバルトは自力で鎖を破壊して外に飛び出すと、そこには魔族にやられたたくさんの人たちの亡骸が…。さらにサリアを見つけて駆け寄るも、サリアの下半身は千切れているという悲惨な状態。最後にサリアはバルトに「17歳の誕生日…おめでとう バルト」という言葉を残すのでした。
大声をあげながら涙を流すバルト。絶望しているのも束の間、1体の巨大な魔族が襲いかかってきます。しかし、覚醒したバルトにかなうはずもなく、バルトは次々と魔族を討伐。ほとんどの魔族を倒したものの、仲間や家族を失ったバルトは生きている意味を感じられず、その場で自決してしまうのでした。
その後、バルトは意識を取り戻すと、目の前には稽古中のサリアの姿がありました。混乱するなか、バルトが「今の試合って何回目」と尋ねたところ、サリアは「2100回目よ」「7年間私の全勝ね」と応えます。
そして、勇者は自決を条件に、過去にタイムリープできることにバルトは気付きます。途端にナイフで自身の髪を短く切ったバルトは、同じ未来をたどらないように「もう 誰も死なせない」と覚悟を決めるのでした。
読者からは「最後の最後で胸アツ展開で興奮した」「続きが気になる!」などの声があがっています。そこで原作者である四葉さんに、同作が誕生したきっかけについて話を聞きました。
■原作誕生は担当編集が毎週会いに来てくれたおかげ?
-同作のストーリーを考えたきっかけや、漫画化にするまでの経緯をぜひ教えてください。
企画が決まる前段階から担当編集さんが足繁く最寄り駅に通ってくださったことがきっかけです。毎週来ていただいたので、これは逃げられない……と思った次第です(笑)。貴重な時間を使っていただき大変感謝しております。
ストーリーの発想についてはタイムリープを前からやってみたいなと思っていました。その上で何を題材にするかという点をずっと考えていました。あるときふと、大好きだった某有名RPGで幼馴染が自分の身代わりになって死んでしまうシーンを思い出し、そういえば「あのとき幼馴染が死んでいなかったら……」という妄想を以前からしていたので、これを題材にしようと直感で決めました。
-第1話の中で、特にお気に入りの場面があれば、理由と一緒にぜひお聞かせください。
幼馴染が身代わりになって死ぬシーンが好きです。セリフと表情がとても気に入っています。作画の佐藤先生の魂が注入されていてぐっときました。
-読者にメッセージをお願いいたします。
様々な作品があるなかで読んでいただきありがとうございます!まだ読んでいない方、絶望を体験したい方はぜひ読んでみてください!!!
(海川 まこと/漫画収集家)
























