日本テレビの番組「月曜から夜ふかし」で、「桐谷さん」の名で愛され、将棋棋士で投資家の桐谷広人さん(76)。11月に神戸市内であった講演会では、2024年に始まった少額投資非課税制度(新NISA)に触れた。現在、オール・カントリー(eMAXIS Slim 全世界株式、オルカン)やアメリカ株の人気があるが、桐谷さんは「今、買うのは得ではありません」と持論を語った。一体、どういうこと!?
■円安が与える影響
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかる。一方、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は非課税となる。金融庁の調査によると、今年6月末時点で2696万0101口座が開設され、4人に1人が利用しているという。
桐谷さんがオルカンや米国株を買わない理由として、「今は円が安すぎるんです。1ドル=150円くらいで、オルカンを買って5割の利益が出ても、円高が進んで1ドル=100円になったら利益が吹っ飛んでしまいます。プラスマイナスゼロです。今は円をドルに替えるタイミングではないと思います」と話した。
そして11年前、「月曜から夜ふかし」のロケで、アメリカのラスベガスに行った経験を踏まえて語った。「スタッフが500ドルでギャンブルをやれって言うんで、やったら当たりまして、3600ドル儲かったんです。当時の為替だと1ドル=103円くらいで、36万円でしたが、今売ると50数万円になるんですね。だから今、円でオルカンやアメリカ株を買うのは得ではありません。1ドル=100円が理想ですが、実際には120円くらいの円高になったら買いたいです」
■オススメはNTTやソフトバンク
では、新NISAでどのような商品を購入すればいいのだろうか?「安く買えるのはNTTです」と桐谷さん。1987年に上場し、1株単位の初値は119万6000円だった。その後、318万まで値上がりしたが、ブラックマンデーやバブル崩壊を経て、90年代初頭には30万円ほどに下がった。「その後、株式分割をしてここ何年も増配しています。毎年配当を増やしてくれるので、株主への配当が増える。配当が増えると、みんなが株を買うから上がる-という非常にいい企業です」とする。
2023年には40分割を行った。「若い人でも株を買いやすくするためですね。株主が老人ばかりになっちゃったみたいなんです。40分割すると1万いくらになるので、小学生のお年玉でも買えます」と説明する。
現在、NTTの株価は1株160円程度。「1万6000円で100株買えます。新NISAで購入しても毎年3%の配当があります。株主優待では、ドコモのdポイントがもらえます。最初の年はもらえないけど、次の年には1500ポイント。5年経つと3000ポイントで、合計4500ポイントもらえますから、配当と合わせれば年8%くらいの利回りになります」
また、ソフトバンクも安くてオススメだという。「現在は1株210円程度で、2万1000円くらいで100株買えます。配当は4%弱で、株主優待では1年後からPayPayが1000ポイントもらえます。そうすると、8%の利回り。食事でもコンビニでも買い物できますよ」
(まいどなニュース・山脇 未菜美)
























