長年連れ添ってきた夫婦でも、普段はそれぞれの生活ペースで過ごしているため、2人で同じ場所に出かけるだけでも、新しい発見や気付きを得ることがあります。飲食店でメニューを選ぶときの金銭感覚や、料理に対する反応、些細な好みの違いなど、普段は見過ごしている小さな違いに気づくこともしばしばです。そんな何気ない日常の中で、思わず驚いてしまうやり取りや意外な行動が見られるのも、夫婦ならではの楽しみのひとつと言えるのではないでしょうか。レストランやカフェなどの非日常の場面は、日々の生活の中では気づかない価値観の違いを映し出す鏡のようなものでもあります。
■カフェでの「安すぎ発言」
千葉県在住のKさん(50代)は、学生結婚だったので、夫とは30年以上連れ添っています。ある休日、子どもの習い事の待ち時間に、Kさんは夫と2人で珍しく都内のカフェを訪ねました。普段の習い事は夫婦のどちらかが送迎しているのですが、この日は次の予定があったので、2人でカフェで待つことにしました。いつもは自宅でインスタントコーヒーを飲み、出かけるときは必ず水筒を持参するKさん。夫婦水入らずでカフェでゆっくりするのも久しぶりです。メニューを見ると、1杯700円のコーヒーが並んでいました。Kさんは「物価高だし、外で飲むコーヒーは高いのね」と口には出さないものの心の中で思いました。
ところが夫は、目を丸くして言いました。
「え?安くない?ここ、大丈夫かな?」
いやいや、十分高いですよね。普段は100円単位でも細かく計算する節約家のくせに、この感覚のズレは一体どこから来たのでしょうか。仕事上の接待などで、少し高級な経験に触れているせいなのか、庶民ベースの価値観と微妙に食い違っている瞬間です。Kさんは心の中で、「あなた、いつも高いコーヒー飲んでるの?そんなお金あるなら私にも少し分けてよ!」と突っ込みました。
■回転寿司での「安すぎウニ」
週末、家族で訪れたのは久しぶりの回転寿司です。普段は、カニサラダ軍艦、コーンマヨネーズ軍艦、たまご、と安い皿ばかり選び、出費を最小限に抑える夫ですが、予想外の発言が飛び出しました。
メニューを見て、夫はウニの皿を指差し、
「え?ウニ、この値段?安すぎない?」
家族は思わず顔を見合わせました。「十分高いよ!」と突っ込みたくなる瞬間です。庶民的な節約家としての基準に基づく反応なのに、たまにセレブ基準の経験値が混ざるので、発言が不思議な方向へ向かいます。完全に「いつもは高級寿司に行ってるよね?」と疑いたくなるような発言です。
このズレこそが、夫という人物のおかしな二面性の現れです。それでも、安いウニが食べられるとわかっても、味覚は庶民なので、選ぶのはカニカマサラダとコーンマヨネーズ。なのに、たまにセレブ的経験が同居するからこそ、外食ひとつで家族は翻弄されるのです。
■ホテルランチでの「リーズナブル」
子どもの誕生日、本人のリクエストもあり、奮発してホテルのランチビュッフェに行ったKさん家族。ローストビーフやズワイガニ、高級食材を使った料理を前に、Kさんはホテルのキラキラした雰囲気と豪華さに、ただただ胸が高鳴ります。が、夫の反応は予想外でした。
「このレベルでこの食べ放題って、かなりリーズナブルだね」
普段の倹約家ぶりからは想像できない評価です。仕事上での経験から、場所がホテルになったことで、セレブ感がにじみ出てきたのでしょうか。しかし、本人はまったく自覚していません。庶民的な生活感覚がベースなので、時折セレブ的発言を混ぜながら、食べるのはひたすら唐揚げと、ピザとパスタ。ズレた発言と好物の矛盾が生まれています。
Kさんの頭の中では「やっぱり、あなた…仕事で高級接待に慣れてるよね?」という警報が鳴り響くのです。
■ズレと二面性が生む日常の笑い
こうした夫の発言や価値観のズレは、夫婦や家族の日常にちょっとした笑いと意外性をもたらします。普段は倹約家で慎重な一面があるのに、時折顔を出す無自覚なセレブ感が、Kさんにに驚きと嫉妬をもたらします。価値観の違いに翻弄されつつも、それをあなたは楽しめますか?それとも腹が立ちますか?
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)























