ファミコンのコントローラー(yu_photo/stock.adobe.com)
ファミコンのコントローラー(yu_photo/stock.adobe.com)

高齢者が施設に通って機能訓練をしたり、日常生活の援助を受けたりするデイサービス。

今、SNS上ではそんなデイサービスの現場にレトロゲームを導入する実験が大きな注目を集めている。

「85歳のおばあさん デイサービスでファミコンを楽しむ。 当協会ではデイサービスの現場に娯楽が増えればと レトロゲームの導入を今年1月より実験的に行っております。 現在、中々触ってもらえないと思う反面 85歳のおばあさんが毎回楽しく遊んでいます。」

とその模様を紹介したのは日本レトロゲーム協会のXアカウント(@japanretrogame)。

ファミコンで『スーパーマリオブラザーズ3』をプレイする高齢女性。たしかにこういったゲームなら高齢者にとって程よい手先や頭の訓練になりそうだ。

日本レトロゲーム協会代表の石井豊さんにお話を聞いた。

ーーデイサービスにレトロゲームを提供された経緯をお聞かせください。

石井:以前、友人の経営するデイサービスを見学したところ、雑誌を読んだり、ジグソーパズルをしたりしている利用者さんが居ました。繰り返しの毎日でどこか退屈そうでしたので、この方たちにレトロゲームでも遊んでもらってみたらと思い、提案したところ、一度設置してみましょうということになりました。

アクションは苦手かなと思い、スーパーマリオのほかに、テトリス、上海、将棋、囲碁、麻雀、ゴルフ、パックマンなど、遊びやすいソフトを中心に選び、設置してきました。

ーー利用者の反応は?

石井:デイサービスの利用者は大勢いるのですが、残念ながら今のところ、この方しかファミコンで遊んでくれないのです。しかもスーパーマリオのみ遊んでいます。

ーー気に入ってくれたのでしょうか

石井:この方はファミコン設置後、滞在時間が飛躍的に長くなり、ずっとスーパーマリオをやっておられます。デイサービスの職員もこの方が昔ファミコンで遊んでたということも全く知らなかったので、ファミコンの前に座り、静かにプレイを始めた時は非常に驚いたそうです。

会話のきっかけが生まれ、話すことも増えたそうですが、プレイ中に話しかけるとゲームの邪魔になってしまうので、話しかけるタイミングには気を使っているそうです。

ーー投稿に大きな反響がありました。

石井:皆様のコメントありがたく読ませていただいています。ありがとうございます。介護、福祉とゲームは親和性が高く、これからのテーマになっていくとあらためて思いました。お年寄りの時間が少しでも充実してくれたらと思います。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「そのうちレトロゲームの現役世代がその年齢になったら、デイサービスがゲーセン化するかも…楽しみです」
「遠方に住む自分の祖父は、孫が帰省した時に遊べるようにとファミコンを買った。 自分の家で買うのより早かった。 ファミコンの最初期でボタンがまだゴムの四角ボタン。 祖父が買ったソフトはポパイとドンキーコング。 祖父はよくドンキーコングをプレイしていた。 何となくそのことを思い出しました。」
「うちのばあちゃんもテトリスしてました。 今から30年くらい前の話ですが。 孫のを借りて…ではなくMyファミコン、Myスーファミを都度購入。 なかなかゲーマーBBAでした。」
「ファミコンくらいなら操作がわかりやすいからみんなで楽しめるんや。ファミリーで楽しめるコンピュータってそう言うことかも知れんな(´ω`)」

など数々の驚きの声、称賛の声が寄せられた今回の投稿。

アーケードゲーム『スペースインベーダー』が空前の大ヒットとなったのは1978年、家庭用ゲーム機、ファミコンが発売されたのは1983年のこと。これからゲーム機をリアルタイムで楽しんだ世代が本格的な高齢化を迎える。高齢者用施設にゲーム機が導入されるのは自然な流れなのかもしれない。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)