神社で保護された茶々くん。紆余曲折を経て「ずっとのおうち」へ(画像提供:茶々のちニャンキー時々ガブ男(猫垢)さん)
神社で保護された茶々くん。紆余曲折を経て「ずっとのおうち」へ(画像提供:茶々のちニャンキー時々ガブ男(猫垢)さん)

新婚生活のスタートと共に訪れた、かけがえのない出会い。悲しい別れを乗り越えた先に待っていたのは、想像を超えるほど勇敢で甘えん坊な「茶トラの子猫」でした。 Xユーザー・茶々のちニャンキー時々ガブ男(猫垢)さん(@chachacat9)と、愛猫「茶々」くんが紡ぐ出会いの軌跡とは。

■大きな犬にも物怖じしない勇敢な子猫

2020年6月、ある神社で子猫が発見され、保護団体によって保護されました。時を同じくして、「新生活が始まったら必ず猫を迎えたいね」と話していた新婚の飼い主さん夫婦。ふたつのご縁は、少しずつ近づいていたのです。

「本来は新婚旅行など家を空ける予定が落ち着いてから迎えるつもりでしたが、コロナ禍でさまざまな予定が中止に。どうせしばらく家にいるのなら今迎えてもいいのではないか--そう考えるようになりました」

これまで共に暮らしてきた動物たちはすべて保護された子だったという飼い主さん。今回も「迎えるなら保護猫」と決めていました。

「特に茶トラ猫に憧れがあった私たちは、インターネットで目に留まった子猫と会うために保護団体の譲渡会へ。そこである茶トラの子猫と出会い、迎えることが決まったんです。ところが、お迎えを前にその子が病気で亡くなったと知らされ、大きなショックを受けました」

悲しみに暮れる中、約1カ月後、先の保護主さんから「茶トラの子猫がいる」と譲渡会への誘いを受けます。そこで出会ったのが、のちの茶々くんでした。

「ほかの保護猫たちは、きょうだいで仲良く遊んでいる子もいましたが、茶々は隣のケージにいた保護犬に興味津々で、大きな犬に向かって『シャー!』と威嚇していました」

その物怖じしない姿に、飼い主さんは心を奪われます。

「あんなに大きな犬に立ち向かうなんて、なんて勇敢な子猫なんだろう--その姿が強く印象に残り、『この子を迎えたい』と直感したんです。そして私たちは、茶々の里親になることを決めました」

■試行錯誤から始まった「茶々ファースト」な日々

2020年7月4日、ついに茶々くんをお迎えする日がやってきました。

「初日、茶々は新しいおうちが嬉しかったのか、家中を走り回っていました。その様子を見た保護主さんから、危ないのでキャットケージを用意するよう助言をいただいたんです。お迎えまでに一通り準備はしていたものの、ケージはかわいそうだと思い用意していませんでした」

急いでケージを買いに走る夫を見送り、家には飼い主さんと茶々くんのふたりきりに。すると、予想外のハプニングが起こります。

「トイレも準備していたものの、場所がわからなかった茶々はテレビの後ろへ行き、床で用を足してしまいました。テレビのコードを砂だと思ったのか、コードで排泄物を隠そうとする茶々。片付けはしたものの匂いが残ってしまったのか、トイレのタイミングになると何度かテレビの後ろへ行ってしまい大変でした」

猫はトイレトレーニング不要という先入観があった飼い主さんですが、根気強く向き合い、その日の夜には無事にトイレをマスター。しかし、夜鳴きという新たな試練も待っていました。

「夜はケージに入ってもらいましたが、茶々は鳴き続けました。そのため、初日はケージのあるリビングに人間が居残ることに。猫は気まぐれでツンとした性格だと思っていましたが、甘えん坊で寂しがり屋な子もいるのだと、茶々は私のイメージをどんどん覆していきました」

茶々くんとの暮らしが始まってから、生活は一変。「茶々ファースト」な毎日へと変わりました。

「朝ごはんも夜ごはんも茶々が先。旅行が好きだった私ですが、寂しがり屋の茶々をひとりにできず、旅行に行かなくなりました」

体調面でも心配は尽きませんでした。子猫時代はウイルス性鼻炎やコクシジウム、カンピロバクターなど、何度も病院へ通う日々が続いたといいます。

「それでも成猫になる頃にはすっかり元気になり、痩せっぽっちだった茶々はしっかりとした骨太体型へと成長しました」

■大きくなった“お兄ちゃん”へーー今、伝えたい思い

現在、茶々くんは推定5歳になりました。すっかり立派な成猫ですが、その甘えん坊ぶりは相変わらずです。

「成猫になった今も飼い主の肩や膝、背中に乗ってきます。女性は大好きですが、家族以外の男性は少し苦手。レンジの設置で男性の業者さんが来たときは隠れてしまうのに、女性の清掃業者さんが来たときは自分から近づいていき、積極的に甘えます」

また、茶々くんには人を見る目があるようで、相手によって接し方を変える賢い一面も。

「不思議なことに『噛んでもいい人』と『ダメな人』の見分けがついているようです。家に遊びに来てくれた友人や、猫が苦手な私の母には手を出しませんが、猫好きの義母が来たときには、あいさつ代わりにガブガブします」

そんなおちゃめな茶々くんは、今ではすっかり家族にとって頼もしい存在。飼い主さんは、愛するパートナーへ心からの感謝を伝えます。

「茶々に今伝えたいのは、『いつも癒やしてくれてありがとう。子どもたちのお兄ちゃんをしてくれてありがとう。これからもずっと一緒に暮らそうね』という気持ちです」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)