お迎え2日目、緊張した面持ちのルナちゃん(画像提供:yuさん)
お迎え2日目、緊張した面持ちのルナちゃん(画像提供:yuさん)

まんまるの大きな瞳と見つめ合ったあの日。それは、過酷な外の世界で命を繋ぎ、懸命に子育てを終えた1匹の母猫が「本当の家族」と出会った瞬間でした。病というハードルさえも「家族になるために必要なことだった」と語るThreadsユーザー・yuさん(@namihanay)の愛猫となったのは、キジ白猫の女の子「ルナ」ちゃんです。

■子育てを終えた母猫との出会い

ルナちゃんは以前、あるおばあさんの庭でご飯をもらいながら野良生活を送っていました。その後、妊娠が判明したことをきっかけに保護団体に救われ、シェルターで2匹の男の子を出産。立派に子育てを終えたといいます。

保護から2年が過ぎ、新しい家族を待っていた推定3歳のルナちゃんに、飼い主さんが出会ったのは区の譲渡会でした。

「たくさんのケージが並ぶ中、まんまるの目をした女の子が目に留まりました。お母さんとは思えないほど可愛らしく、強く印象に残っています。後日シェルターを訪ね、保護当時や子育て中の話を聞き、『猫エイズ陽性である』ことも知りました」

初めて猫を迎える飼い主さんにとって、その事実は決して小さなものではありませんでした。しかし、不安以上に「この子をひとりにしたくない」という強い思いが勝ったといいます。

「私たちは猫を飼うのが初めてで、最初の子がエイズ陽性ということに正直戸惑いや不安もありました。でも、目の前で元気に遊ぶ姿を見て、誰かが家族にならなければこの子はずっとシェルターで暮らすことになるのかもしれない、それなら私たちが家族になりたいと思い、お迎えを決めました」

飼い主さんはその縁を大切に受け止めています。

「とても可愛らしい子なので、エイズでなければもっと早く家族が決まっていたのではないかとも思います。だからこそ、エイズ陽性であることも含めて、私たちの家族になるために必要なことだったのかもしれないと感じています」

■焦らず、ゆっくりと歩み寄った「信頼への1カ月」

2024年12月30日。家族が長く一緒に過ごせる年末年始に合わせて、ルナちゃんをお迎えしました。環境の変化から、当初は緊張の面持ちだったルナちゃん。飼い主さんは、事前に得ていた知識を頼りに、ルナちゃんのペースを尊重し続けました。

「初日から3日間は予想どおりご飯を食べてくれませんでしたが、テレビなどで保護猫のお迎えについてたくさん勉強していたので、焦らず見守ることに。慣れるまではケージで過ごしてもらいましたが、私たちが起きている間はベッドでじっとしていることがほとんどでした。それでも撫でられるのは好きなようで、撫でる時間やちゅ~るの時間に少しずつコミュニケーションをとっていったんです」

食欲が戻り、いよいよ家の中への開放が始まると、ルナちゃんは安心できる場所を自ら見つけたといいます。

「ひたすら隠れ場所を探し、たどり着いたのはクローゼットでした。そこから数日はクローゼットでの生活が続き、夜に私たちが寝ると家の中を探検するという日々。2週間ほどかけて少しずつリビングにも出てこられるようになり、やがてクローゼットにこもることもなくなりました」

こうして、ルナちゃんは少しずつ飼い主さん家族の一員として穏やかな日々を過ごせるようになったといいます。

「ゆっくり、でも確実に距離が縮まり、1カ月でトライアルを終えて正式譲渡となりました」

■1年越しに叶った「膝乗り」 今、ルナちゃんへ伝えたいこと

お迎えから約1年。現在推定4歳になったルナちゃんは、家の中で自分らしく過ごしています。飼い主さんが帰宅すると出迎え、ラグの上でお腹を見せて甘える。そんな愛らしい姿を見せる一方で、時にはクールな一面を見せることもあるといいます。

「ルナは一言で言うと、猫らしい性格ですね。撫でてほしいとゴロンとしたり、寂しくなるとやって来て『ニャー!』と大きな声で鳴いたり、甘えん坊。けれど、こちらからかまいにいくと迷惑そうな顔をするツンデレな一面も。ビビりで人見知りでもあるので、来客時はすぐに隠れてしまうんです。私たちにしか慣れていないところが、うれしいところでもありますね(笑)」

少しずつ、丁寧に積み上げてきた信頼関係。先日、そんな日々の積み重ねが最高の形で報われる瞬間が訪れました。

「本当にゆっくり時間をかけて距離を縮め、信頼関係を築いてきました。お迎えから1年がたった先日、初めて膝に乗ってきてくれたんです。『信頼しているよ』と言ってくれたようで、すごくうれしかったです」

家族に笑顔を運んでくれるルナちゃんへ、飼い主さんは真っ直ぐな想いを言葉にします。

「ルナに今伝えたいのは、『うちの子になってくれてありがとう』という気持ちです。ルナのおかげで、毎日何があっても笑顔が絶えません。これからものんびりマイペースに、健やかに、ルナがルナのままで過ごしてほしいと思います」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)