えっ…子宮全摘!?(春日サブスカさん提供)
えっ…子宮全摘!?(春日サブスカさん提供)

なんとなく気になっている心身の不調は、実は身体が悲鳴をあげているサインなのかもしれません。漫画家・春日サブスカさんの作品『子宮全摘手術レポ』は、子宮内膜増殖症になり、子宮の全摘出手術を受けた作者の様子が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約6500のいいねが寄せられました。

40代の経産婦である作者は、若いころは特に生理やPMSに悩まされることなく過ごしてきました。しかしここ数年、強い腹痛や経血量の多さが気になり、また生理周期もかなり狂いだしていました。

そこで作者は婦人科を受診しますが、最初の病院では「加齢のせい」とあしらわれます。この診断に違和感を覚えた作者は、別の婦人科でホルモンの薬を処方してもらいました。しかし一向に不正出血がおさまらず、市の子宮がん検診を受けたところ、子宮内膜増殖症と診断されます。

子宮内膜増殖症は、場合によっては子宮がんとなるため、作者は4カ月ごとに定期検査へ通うこととなります。そして2024年12月、子宮内膜増殖症異型が認められたため、ついに子宮全摘の方向となりました。

子宮体がん検診自体には異常はありませんでしたが、たまたま採取した部分ががんではなかっただけという可能性もあるためです。現代の手術方法では、臍やその周囲に穴を開けて腹腔鏡などを入れ、膣から切った子宮を取り出すそうです。

アダルト作品の漫画家である作者は、取った子宮をこの目で見たかったそうですが、自分で見ることは叶わないようでした。手術と決まれば、その日のうちに検査から手術までの日程が決まります。

MRI検査、造影CTなどを経て、ついに手術間近となりました。この手術では、卵巣も含めて摘出する予定です。卵巣を摘出した場合、急激なホルモン変化で更年期症状が重くなると聞いたことがある作者は悩みますが、卵巣にもがんがあった場合のことを考えて摘出を決意します。

先生から教えてもらった子宮全摘手術のYouTube動画でイメージトレーニングした作者は、入院に必要なアイテムをそろえて、いよいよ入院となります。手術前日は点滴ルートの確保や剃毛、下剤や眠剤を飲んで入眠しました。

次の日作者は、浣腸液を入れたうえで点滴をつながれ、いよいよ手術へと入ります。作者は手術室に入りマスクを付けた途端に意識が遠のき、気付いたら手術が終了していました。沢山の管につながれ意識がフワフワ状態の作者は、痛い術後を我慢しながら長い夜を過ごします。

手術翌日、早速午前中から歩行練習となりますが、血圧が急激に下がり動くことができません。すべて汁物の食事を食べたあと、午後から再度歩行練習をしますが、やはり血圧が低下してしまいました。

作者は、なんとか術後2日目から歩行できるようになります。作者の右脇腹には、術後からドレーンバッグという体液が排出される管とバッグが付いていました。今日はなんとか歩けたため、腹部に入っていたドレーンを抜くことになります。しかし抜いた途端、作者は思わず大きな声を上げてしまいました。管を抜く痛みはなかったそうですが、お腹のなかで管が動く感覚に思わず声がでてしまったようです。

術後3日目、診察も問題ないため自宅へと退院となります。しかし退院後もつらいのは変わらず、傷はそこまで痛くないにも関わらず、全体的に身体が弱っている感覚でした。また作者が見たかった子宮の写真は、術後に家族が撮ってくれたようです。

それから2週間後に病院に訪れると、病理検査の結果、やはり子宮にがんがあったようでした。そのうえ片方の卵巣に境界悪性腫瘍(良性と悪性の中間)も見つかったようで、先生は「色々タイミングが良かった」と笑顔になります。

術後からしばらくして、一時足のしびれがありましたが、ビタミンB12の薬を飲んで改善しました。そして2026年現在、作者は元気に過ごしています。皆にも婦人科検診や健康診断に行ってほしいという言葉で物語は締めくくられます。

読者からは「すごくためになった!」「自分も定期的に健診に行こうと思う」など前向きな声が挙がっています。そこで作者の春日サブスカさんに話を聞きました。

■自分が体験談で励まされたので、誰かの役に立つかもしれないと思い描いた

-子宮全摘を漫画として描こうと考えたきっかけについて教えてください

手術が決まったとき、人生初の貴重な体験になるなと思ったのでまずは記録としてレポ漫画にしようと思いました。それから、自分も病気や手術について他の人の体験談を色々読んで参考にしたり励まされたりしたので、自分の体験談も誰かの役に立つかもしれないと思い公開しました。

-同作のなかで、とくに印象的だった場面はありますか?

手術自体は麻酔で寝ている間に一瞬で終わってしまったので実はあまり印象に残っていません。術後にドレーンバックを抜くときが、お腹の中から管が引きずり出される感覚がものすごくて普段あまり大きな声を出すことがない自分がつい叫んでしまったので、一番印象に残っています!

-読者のなかには、身体に不調があってもそのまま放置している方もいるかと思います

自分もそうでしたが、日々忙しくしていると急を要する症状でない限り病院って後回しにしがちですよね。

このレポ漫画を読んで、そういえば最近検診行ってないな~とか、気になる症状があるけど病院に行けてないな…とか、そういったことをちょっとでも思い出していただけたらいいなと思います。

婦人科検診ももちろんですが、その他の検診も、受けるきっかけになれば嬉しいです。

(海川 まこと/漫画収集家)