電気代の節約といえば、真っ先に槍玉に上がるのがエアコンです。つけっぱなしにしていると電気代がかさむイメージが強く、こまめにオンオフする人も少なくないでしょう。しかし節電意識の高い夫を持つAさんは、日々その"矛盾"に頭を悩ませています。
夫は「電気代がもったいない」と言ってAさんがつけたエアコンを消しに来るのに、リビングの大型テレビをつけたまま寝てしまうことがありました。深夜にトイレで目を覚まし、リビングでつけっぱなしになっているテレビを消すことは、すでに日課のようになっています。
Aさんは「エアコンを気にするなら、あなたがつけっぱなしにしているテレビはどうなのよ!」と文句を言ってやりたいと思いつつも、実際にテレビの消費電力が分からず、言い返せないでいます。
では実際のところ、テレビとエアコンを1カ月つけっぱなしにした場合、どちらの電気代が高くなるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの橋本ひとみさんに話を聞きました。
■エアコンよりもテレビの方が消費電力が大きいケースも
ー24時間×30日つけっぱなしにした場合、それぞれの電気代はいくらになりますか?
電気料金の目安単価(31円/キロワットアワー)をもとに試算してみましょう。
省エネ性能の高い最新モデルエアコン7~10畳用(冷房シーズン全体の消費電力量が200キロワットアワー)の場合、 82ワット÷1000×24時間×30日×31円で、1カ月あたり約1800円です。
一方、65V型の大型有機ELテレビ(定格消費電力500ワット)を1カ月つけっぱなしにした場合、500ワット÷1000×24時間×30日×31円で、電気代は1万1160円になります。仮に毎晩8時間つけたまま寝落ちした場合で試算すると、1カ月の電気代は500ワット÷1000×8時間×30日×31円で、3720円です。
夫が寝ている間のテレビ代だけで、省エネエアコンを冷房シーズン1カ月フル稼働させた電気代を上回る計算になります。
ーエアコンと大型テレビ、それぞれの消費電力の目安を教えてください
一般的な家庭用エアコンの消費電力は400~800ワット程度です。ただしこれはフル稼働時の数値で、室温が設定温度に達したあとの安定運転時は100ワット以下まで下がることもあります。省エネ性能の高い最新モデルであれば、冷房シーズン全体の消費電力量が200キロワットアワー程度に収まるものもあります。
一方、リビングに置かれることの多い大型の有機ELテレビでは、消費電力が500ワットを超えるものもあります。液晶テレビと比べて画質が美しい分、消費電力も高めです。エアコンの安定運転時とは異なり、テレビは電源が入っている間この消費電力がほぼ一定で続くという点が大きな違いです。
ー無理なく実践できるテレビとエアコンの節電方法があるでしょうか?
テレビには「無信号自動オフ」機能が搭載されている機種があります。一定時間操作がないと自動で電源が切れる設定で、寝落ちによるつけっぱなしを防ぐことができます。設定メニューを一度確認してみてください。
エアコンについては、こまめなオンオフよりも設定温度の調整や自動運転モードの活用のほうが節電効果は高い傾向があります。起動時に消費電力が大きくなるため、短時間の外出なら消さずにいたほうが結果的に電気代が安くなることもあります。
◆橋本ひとみ(はしもと・ひとみ)
銀行勤務12年を経て、現在は複数企業の経理代行をおこなう。法人営業や富裕層向け資産運用コンサルティングの経験に加え、ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士の資格を持つ。
(まいどなニュース特約・八幡 康二)
























