改正薬機法から2カ月、市販かぜ薬の購入者はどう変わった? ※画像はイメージです(buritora/stock.adobe.com)
改正薬機法から2カ月、市販かぜ薬の購入者はどう変わった? ※画像はイメージです(buritora/stock.adobe.com)

2026年5月1日、若年層を中心に深刻な社会問題となっている市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)対策として、改正薬機法が施行され「指定濫用防止医薬品」の新たな制度が導入されました。これにより、ドラッグストアなどでのかぜ薬の販売時において、18歳未満への個数制限や購入理由の確認義務化といった新ルールが設けられました。

新ルールの開始から約2カ月が経過した現在、生活者の意識や店頭での実態はどう変化しているのでしょうか。大正製薬株式会社(東京都豊島区)の調査からは、生活者のリアルな声が届いています。

調査は、2026年5月1日以降に、ドラッグストアなどの店頭でかぜ薬(指定濫用防止医薬品に該当)を購入した全国の20~69歳男女2254人を対象として、2026年6月にインターネットで実施されました。

■法改正のポイント

このたびの法改正では、若年層の濫用を防ぐため、18歳未満の人が「指定濫用防止医薬品」を購入する場合、小容量製品を1個のみ購入可能となりました。

18歳未満の人への大容量や複数個の販売は禁止され、購入理由などについて、販売時の確認が義務化されました。

■改正薬機法の認知度は約6割、一方で「指定成分」への理解には課題も

法改正後に店頭でかぜ薬を購入した男女を対象に実施された本調査では、このたびの法改正について「知っていた」とした人は59.1%と過半数を占めました。

さらに、そのうちの約6割(59.6%)は「かぜ薬を買いに行く前から知っていた」と回答しており、事前の情報浸透が進んでいることがうかがえました。

「新制度の内容ごとの認知度」を見てみると、「若年者の過剰摂取などの背景」(61.1%)や「購入時の確認」(57.9%)、「個数制限」(52.1%)については多くの人が把握していた一方で、「指定成分の詳細」(33.1%)について知っていた人は約3割にとどまり、具体的な成分名までの理解にはまだ課題が残る結果となっています。

次に、「かぜ薬を使う時、用法・用量を守って正しく使用していますか」と聞いたところ、実に93.1%の人が「はい」と回答。それに加え、今回の法改正が「かぜ薬の正しい使い方について考えるきっかけになった」と答えた人は71.3%にのぼり、新ルールの導入は単なる規制強化にとどまらず、多くの生活者が薬との付き合い方を見直す良い契機となったようです。

法改正後、「実際に店頭でかぜ薬を購入した際の変化」について、「良かったことがあった」と答えた人は38.4%で、自由回答では「薬剤師や登録販売者からの説明が充実した」「過剰購入が防げるようになって安心感がある」といった声が挙げられました。

一方、法改正後に「困ったこと」があったと答えた人は27.6%。

自由回答では「購入時の確認事項が増えたため、待ち時間が増加した」という不満や戸惑いの声が挙がっており、適切な販売プロセスが守られるようになった一方で、店頭でのスムーズな対応や運用の効率化が今後のテーマと言えそうです。

■かぜ薬を正しく使うために

市販のかぜ薬は身近で便利な医薬品ですが、正しく使わなければ健康を害するリスクがあります。同社は、「購入時の新ルールに理解を示すとともに、使用する際は外箱や添付文書に記載されている『用法・用量』『成分』『効能』『注意』を改めてよく確認することが大切」としています。