息子が中高生の頃の親のLINE、まだ生きてます
息子が中高生の頃の親のLINE、まだ生きてます

中高一貫の男子校を卒業して2年になる息子を持つ、愛知県在住のAさん(50代)。 息子は現在、大学2年生です。ところが、Aさんのスマートフォンには、いまだに中高時代のクラスLINEを通してママ友から通知が届きます。

卒業したのだから自然に使われなくなるだろうと思っていたAさん。しかし、「久しぶりに飲み会をしませんか」「今度ランチ会をしましょう」といった誘いが、卒業後もちょくちょく届くのです。

■大学生になっても続く「親のLINE」

さらに最近、Aさんを驚かせたのが、新たに作られたグループLINEです。 

中高時代の同級生のうち、同じ大学へ進学したメンバーで、グループが作られたのです。

大学生になっても続く親同士の交流に、Aさんは少し戸惑っているようです。 

浪人していた同級生が同じ大学に入学するとLINEに加わり、メンバーも少しずつ増えていきます。幹事役の保護者は全員の予定を調整しようと、何度も日程アンケートを実施します。 候補日が合わなければ再調整となり、「その日は都合が悪いので行けません」と簡単に断れる雰囲気でもありません。

■息子が警戒する「親たちの情報交換」

当の息子は、いたって冷静です。

AさんがLINEの話をすると、「別に行きたければ行けばいいけど、俺のことは一切話さないで!」と念を押します。

警戒しているのは、親同士が集まることそのものではありません。誰に彼女ができた、大学での成績はどうなのか、どんな大学生活を送っているのか、就職はどんなところを希望しているのか--。そんな自分たちの近況が、親たちの格好の話題になったり、互いに比較されたりすることを気にしているようです。 

「誰が何をしているか、親同士で共有されるのが嫌みたいです」とAさん。

一方、Aさん自身も、親同士の交流については複雑な思いを抱いています。 子どもが中高を卒業すると、自然と交流が減っていきます。長い間一緒に子どもたちの成長を見てきただけに、関係が薄れていくことを寂しく感じる人もいるでしょう。

とはいえ、大学生になった今もママ友ランチの日程調整を繰り返し、息子の近況まで話題にしないよう気を遣うとなると、「もう、そろそろいいのでは」と思ってしまうのも本音です。

息子たちは新しい世界へ進み、親たちも少しずつ、新たな人間関係を築いていく時期なのかもしれません。 

それでも今日もAさんのスマートフォンには、懐かしいメンバーから通知が届きます。うれしいような、少し気が重いような--。そんな思いを抱きながら、Aさんは今日もスマートフォンの画面を開いているそうです。 

(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)