食品の値上げが続くなか、子育て世帯の食生活にも変化が起きています。地域の飲食店を子ども食堂として活用するサービス『こどもごちめし』を運営する、NPO法人Kids Future Passport(福岡市博多区)が実施した調査によると、これまで特に値上げを実感する食品として挙げられていた「米」の割合が大きく低下する一方、「肉類」「野菜・果物」など、さまざまな食品について値上げを感じる家庭が増えていることが明らかになりました。
この調査は、同サービスの登録会員1379人を対象として、2026年8月にインターネットで実施されました。
「値上げを最も強く実感している食品カテゴリ」を2025年と2026年で比較すると、最も大きな変化が見られたのが「米」です。
2025年には70.5%が「米」と回答していましたが、2026年は32.2%と38.3ポイントも低下しました。
一方で、「肉類」は3.6%から17.5%へと上昇し、13.9ポイント増となっているほか、「野菜・果物」も12.4%から15.7%へ上昇しており、単純に「米が高い」という段階から、肉、野菜・果物、乳製品、魚介類など、日常的に購入する食品全体へ値上げの実感が広がっていることがうかがえました。
また、「物価高による子どもの食事内容の変化」については、一般世帯では「外食を控えた」が64.0%で最多。要支援世帯でも60.9%と、最も多い回答となりました。
しかし、変化は外食だけにとどまりません。
「野菜や果物の購入頻度を減らした」は、一般世帯が45.4%、要支援世帯は57.9%、「おやつを減らした」は、一般世帯が28.6%、要支援世帯は35.5%、「主菜の量や質を減らした」は一般世帯が29.0%、要支援世帯では42.1%、「食事回数を減らした」家庭も、一般世帯4.7%に対し、要支援世帯では11.7%という結果になり、特に要支援世帯では、外食を我慢するだけでなく、家庭で食べる食事そのものの量や内容にも節約の影響が及んでいることが分かります。
こうした食生活の変化は、保護者の不安にもつながっています。
「子どもの食事や栄養面について、不安を感じる」とした家庭は92.3%に達し、世帯別に見ると、一般世帯では91.9%、要支援世帯では95.4%にのぼりました。
「食費を抑えたい」という家計上の事情と、「子どもには栄養のある食事を食べさせたい」という保護者の思い。その間で悩む家庭の姿が浮かび上がります。
では、保護者はどのような支援を必要としているのでしょうか。
調査の結果、「食品価格の安定化」(一般世帯76.4%、要支援世帯66.5%)、「現金給付」(同70.1%、80.2%)、「食事支援(こどもごちめし)」(同67.9%、79.7%)が上位に挙がりました。
そのほか、「フードバンク」は一般世帯の14.5%に対して要支援世帯は35.0%、「子ども食堂」は一般世帯の17.1%に対して要支援世帯は12.7%となり、特に支援を必要とする家庭では、現金給付や食事支援など、家計や食卓に直接届く支援へのニーズが強いことが分かりました。
本調査で特に印象的なのは、「値上げを強く感じる食品」が変化している点です。食品価格の上昇が長期化するなか、「何を買わないか」ではなく、「子どもの成長に必要なものまで削らざるを得ない家庭が出ている」ことが、調査から見えてきます。
物価高が続く今、家庭だけに負担を求めるのではなく、社会全体で子どもの食を支える仕組みについて考える必要がありそうです。























