優しくて誠実な夫のルーツとは(弥生りなさん提供)
優しくて誠実な夫のルーツとは(弥生りなさん提供)

相手からの無条件の優しさに触れ、「どうしてこんなに優しいのだろう」と思った経験は、誰でも1度はあるでしょう。その人の考え方には、これまでの経験や、身近な人から受けた影響があるのかもしれません。

弥生りなさんの作品『夫の優しさのルーツを知って心が震えた話』では、家事や育児を当たり前のようにしてくれる夫の優しさの原点が描かれています。

作者の夫は、家事や育児を何でもやってくれて、とても優しく誠実な性格です。そんな夫を見ていた作者は、そのルーツを聞いてみることに。

すると夫は、祖父の存在には大きな影響を受けたと話をしてくれました。夫の祖父は実直な人で、誰かに言われるわけでもなく、掃除や庭の手入れなどをいつも当たり前のようにやっていたそうです。実直で優しく、たくさんのことを教えてくれた祖父との思い出は、数えきれないほどあるといいます。

そんな祖父の背中を見て育った夫でしたが、大学生活を送っていたある日、突然の病に襲われ、命の危機にさらされます。幸い一命を取り留め、後遺症も残らなかった夫。そのとき祖母から言われた「あなたが毎日コツコツ頑張っていたから、幸運を引き寄せてくれたのね」という言葉が、心に強く残ったのでした。

それ以来、夫はより一層、日頃の行動を意識して生活するようになったといいます。誰も見ていなくても、自分が正しいと思うことを続けること、その積み重ねを大切にするようになったそうです。

そして、家事も育児も「手伝う」のではなく、家族の一員として当たり前にやるものだと話します。その言葉を聞いた作者は、夫が大切にしてきたものを知り、胸が熱くなります。今度は自分が夫の背中を追いかけ、夫に恥じないように、毎日を大切に重ねていこうと思うのでした。

読者からは「育った環境は大事なのだなぁと改めて思いました」「わたしもパートナーへの感謝を忘れずにいきたいです」など、さまざまな声があがっています。そんな同作について、作者の弥生りなさんに話を聞きました。

■「誰も見ていなくても続ける」夫の優しさを育んだもの

ー旦那様の優しさのルーツを知りたいと思ったきっかけはありますか?

以前、夫が家事や育児にとても協力的でいつも助けてくれるという投稿をした際、大きな反響をいただきました。そのことをきっかけに、夫とは小・中学校からの付き合いなのですが、よく考えると子どもの頃から彼のこうした誠実な考え方は全く変わっていないな、ということに気が付き、その背景を知りたいと思いました。

ー旦那さんが日頃から実践していることで、弥生さんが特に「この姿勢はすごい」と感じることはありますか?

どんなことでも「今だけいいや」とならずに、全部きちんと継続しているところがすごいなと思います。青信号の点滅などを見ると、私はつい「今なら走って渡っちゃえ」となるのですが、彼は立ち止まってきちんと待つ。そういった当たり前だけど気が緩んで妥協してしまうようなことを妥協せず継続していて、親となった今、子どもに見せたい姿をぶれずに体現し続ける姿勢を心から尊敬しています。

ー祖父のことや旦那様が以前命の危機に直面した経験があることなどは以前から知っていたのでしょうか?

彼の祖父のことはこの投稿を作成するにあたって初めて聞きました。私自身お会いしたこともありますし、彼がおじいちゃん子だったことも知っているので、彼の考え方のルーツだと知った時は腑に落ちました。夫が命の危機に瀕した際、私たちは疎遠になっていましたが、風の噂を聞いてお見舞いに行きました。今こうして結婚して子どもがいるのはあの時彼が乗り越えたからで、彼が生きていることに感謝の気持ちで溢れることが今でもふとした瞬間にあります。

ー旦那さんの生き方を知ることで、夫婦として一緒に過ごしていくことについて、改めて感じたことはありますか?

私も夫のように誠実で継続できる人になりたいなといつも思っています。彼に対しても息子に対しても恥ずかしくない大人でありたいと思います。そして、こんなに尊敬できる彼と夫婦になれたことが本当に幸運だなと感じています。

(海川 まこと/漫画収集家)