六甲山系豪雨災害
「昭和42年六甲山系豪雨災害から50年講演会」が29日、神戸市中央区のハーモニーホールで開かれた。兵庫県内で死者・行方不明者98人を数えた災害の教訓を語り継ごうと、国土交通省六甲砂防事務所や神戸新聞社などでつくる実行委員会が主催。市民ら約450人が識者らの話に耳を傾け、平時の備えの大切さを胸に刻んだ。(小林伸哉)
1967(昭和42)年7月の豪雨は、神戸市内では24時間雨量が319・4ミリに達し、土砂災害や河川の氾濫が多発した。
神戸大学の沖村孝名誉教授(土木工学)は、六甲山系では砂防ダムが被害抑止効果を生んできたが「整備は途上」と指摘。「命を守ることが目標。いつ、どこが危険なのかを伝える防災情報を基に、市民自らが避難行動につなげてほしい」と呼び掛けた。また、今年7月に九州北部を襲った災害のように、短時間で局所的な豪雨が増えていることへの認識を求めた。
神戸新聞の三上喜美男・論説委員長は「災害を忘れない」と題して講演。「被災者の思いを直接聞き、受け継いでいくコミュニケーション記憶は3、4世代が限界とも言われる。各地域で災害の記憶や遺構などを残してほしい」と語った。
住吉中学校(神戸市東灘区)の生徒会執行部は、土砂災害について学習した成果を発表。「自分たちが住むまちの地形を理解し、災害の可能性を知り、いち早く行動が取れるようになることが大事」と訴えた。
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