六甲山系豪雨災害
神戸市や阪神間で戦後最大の豪雨被害をもたらした「昭和42(1967)年7月豪雨」から50年がたったのを機に、同市は13日、須磨区の市立須磨離宮公園などで、水害を想定した防災訓練を実施した。市消防局や県警、陸上自衛隊に加え、災害救助犬やドローンも参加し、連携を確認した。
台風の接近と梅雨前線の影響で線上降水帯が発生、1時間に約100ミリの豪雨で崖崩れが起こり、住宅3棟が土砂に埋まったと想定。2014年に丹波市で死者を出した土砂災害時の気象条件を基にした訓練で、約100人が参加した。
訓練では、消防ヘリやドローンが被災家屋を上空から撮影。災害救助犬などが家屋に人が取り残されていないか捜索した。
消防隊員らはスコップで土砂をかき出し、屋根にチェーンソーで穴を開け進入。家具を取り除き、要救助者に見立てた人形を担架で運び出した。作業中に二次災害発生の恐れを知らせる警報が鳴り、隊員らが一時退避する場面もあった。
後藤範三・同市危機管理監は「今月発生した九州北部の豪雨は、いつ神戸で起こっても不思議ではない。改めて救助の手順を確認できた」と意義を語った。
昨年の台風10号による豪雨で、岩手県岩泉町でグループホーム入居者が多数犠牲になったことを踏まえ、須磨区の土砂災害警戒区域内に立地する介護老人保健施設「グリーンリーフ高倉」でも屋内避難の訓練を実施した。(阪口真平)
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