六甲山系豪雨災害
神戸・阪神間を1967(昭和42)年に襲った六甲山系豪雨災害から7月で50年になるのに合わせ、「六甲山の治山・森づくりシンポジウム」が13日、神戸市中央区下山手通4、県公館で開かれた。約350人が参加し、減災への道筋を考えた。(金 慶順)
67年、六甲山系を集中豪雨が襲い、土砂崩れなどで県内の98人が犠牲になった。その教訓を伝えようと、県や神戸・阪神間の自治体、神戸新聞社などでつくる実行委がシンポジウムを開催。実行委は本年度、訓練や展示なども実施する。
基調講演では神戸大の沖村孝名誉教授(73)=防災工学=が六甲山系の災害と治山の歴史、今後の森づくりについて話した。
六甲山系では38(昭和13)年にも、600人超が亡くなる阪神大水害があったが、その後の対策で、67年の豪雨では市街地への土砂流入を1割程度に抑えられたという。
沖村教授は「砂防ダムの効果があった」と評価。一方で宇治川などの未整備だった小さな河川、小さな急傾斜地で被害が多かった。
近年は強い雨が短時間、局所的に降るため、土砂災害を防ぐ木や草、根の力など「森づくり」が欠かせないと強調。「森づくりは生きる力を培う一つの手段」とし、市民で減災を進められるとした。
続いて県六甲治山事務所の元職員や森林ボランティア、防災士が自助・共助・公助の視点で現場での経験を報告。パネルディスカッションもあった。
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