六甲山系豪雨災害
殉職した消防職員、消防団員らを悼む「招魂碑」がある須磨寺(須磨区須磨寺町4)を9日、久元喜造市長や市内消防団の団長ら17人が参拝した。神戸・阪神間で消防団員2人を含む98人が犠牲となった「六甲山系豪雨災害」から今年で50年。参列者は殉職者に祈りをささげるとともに、防災への決意をあらためて胸に刻んだ。
招魂碑は、殉職した消防職員や消防団の前身となった消防組員を慰霊するため1930年に同寺に建立。現在は市消防協会が管理を行い、毎年8月に参拝している。
市消防局によると、殉職者の多くは太平洋戦争の空襲時に消火活動に携わった警防団員269人。自治体消防制度が発足した48年以降、命を落とした職員や団員ら30人も祭られている。
久元市長は参拝に先立ち、「尊い犠牲の上に今の生活がある。殉職を防ぐことが使命」と追悼の言葉。参列者たちは招魂碑に手を合わせ、深々と頭を下げた。また、境内の「のじぎく地蔵」も訪れ、半世紀前の豪雨災害で水防作業に協力して命を落とした3人の市民も悼んだ。同協会会長で北消防団団長を務める小西元八さん(70)は「災害時に身を投じてでも住民を守りたいという思いがあるが、命あってこそ。災害で犠牲者を生まぬよう訓練に励む」と力を込めた。(門田晋一)
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