中新井美波さん
中新井美波さん

 今、上向きに寝転んでいる。足の間に次男、左脇腹に双子姉、右脇腹に長男、両脇に愛犬2匹、頭に頭をくっつける長女、おなかの上に双子弟を乗せてこれを記している。5人の子を育てるにあたり、体で使わない部位はない。そんな格好で私の随想をスタートするぜ。

 私は神戸市で生まれ育ち、大阪市で10年過ごした後、現在は岐阜県大垣市、水のおいしい場所で夫と5人の子どもと2匹の愛犬と生活している。5人を育てる生活を表すと「毎日マラソンを走っているような生活」なのに、体重が全く減らないのが最近の謎だ。

 幼少期の私の家族は、いつも笑顔の母と、常に魚のことを考えている釣り人な父。人の悪口を絶対言わない兄1と、外国人と間違えられる兄2、そしてセーラームーンの生まれ変わりと信じて疑わなかった私の5人家族。常にライバル視していた兄と同じ野球を5歳から始め、小学生の6年間の休日は一日中野球に明け暮れていた。

 運動に関しては人より秀でたものがあると自負していた。だが算数が苦手で、小2の頃は玄関扉に鍵をかけられ、ベルを鳴らしても「7の段」と低めの母の声に、間違えず九九の7の段を言わなければ鍵が開くことはなかった。最大3度試された「ひらけごま」だ。

 兄妹間で繰り広げられたシュークリーム争奪戦も忘れられない。戦い方はボクシング、空気椅子、スクワット…。数え切れないほど兄たちと戦った。勝ったのは二重跳びとプロレスの2回だけだった。歓喜のシュークリームの味は今でも忘れられない。土曜日の決戦で闘争心やハングリー精神を鍛えたと言っても過言ではない。

 え? プロレスの決め技? それはピッチャーの兄2人にかけた腕ひしぎ十字固めだ。

【なかあらい・みなみ】1991年神戸市生まれ。中学から須磨学園高、大阪学院大時代は陸上中長距離選手。1型糖尿病患者や家族を支援する認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」職員。