ノルディックウオーキングで、「伊能忠敬笹山領測量の道」の石柱を巡るイベントを始める小島さん=丹波篠山市北新町
ノルディックウオーキングで、「伊能忠敬笹山領測量の道」の石柱を巡るイベントを始める小島さん=丹波篠山市北新町

 全国を歩いて測量し、精密な日本地図を作製した、江戸中期の地理学者・伊能忠敬(1745~1818年)が、約210年前、篠山藩(現丹波篠山市)で測量した道を、北欧発祥のノルディックウオーキングでたどるユニークなイベントが7日、同市内で初開催される。忠敬の偉業顕彰などを目指す地元団体「伊能忠敬笹山(ささやま)領探索の会」の取り組みに、ノルディックウオーキングの指導者・小島めぐみさん(55)=同市小多田=が光を当てる格好。忠敬が訪れた地点に同会が設置した、市内12本の石製標柱を、今後月1回ほどのペースで1年以上かけて巡る。(堀井正純)

 忠敬は17年かけて、日本全国を実地で測量した。笹山(篠山)藩には1811(文化8)年と14年の2度測量に訪れている。

 同会は2010年に結成。現地踏査や史料調査、児童らへの出前教室、地図作製など、忠敬の丹波篠山での足跡を伝える活動を続けてきた。しかし、会員の高齢化が進んだこともあり、23年に解散した。その功績が評価され、昨年、国土地理院から、「測量の日」にちなみ、功労者感謝状を贈られている。

 その後知人を通じ、小島さんは同会のメンバーと知り合い、忠敬の業績を伝えてほしいと打診を受けた。「既に地図があるなら、私にも歩くことはできる」と、今年3月に引き受けることに決めた。

 元々、歴史好きの小島さん。忠敬について調べ、彼が49歳で隠居後、江戸に出て19歳も年下の天文学者に弟子入りしたことなども知って、「人間としてもすごい」と認識を新たにしたという。

 「丹波篠山には、忠敬が歩いた道が76%も残っているのも面白い」と小島さん。くしくも、自らの年齢は、忠敬が地図作製のため全国で測量を始めたのと同じ55歳。イベントのため、今後、歩くルート周辺の史跡などについても勉強する予定という。

 「ポールを手に、健康のために歩きながら、歴史も感じてもらえたら。案外、地元の人が地元について知らない。歩くスピードだからこそ、見えてくるものもある」とPRしている。

 第1回イベントは7日午前9時45分、篠山小学校駐車場(同市北新町)集合。参加費千円。ポールレンタル料は今回は無料。同会会員による解説や、歩測で距離を測る体験も実施予定。

 問い合わせは小島さんTEL090・9628・5836