ハモの天ぷらを笑顔で頰張る児童=榎列小学校
ハモの天ぷらを笑顔で頰張る児童=榎列小学校

 兵庫県南あわじ市の小中学校と一部の幼稚園で、地元の食材を使った給食の提供が始まった。ブランド牛「淡路ビーフ」などを使ったメニューを来年2月まで数回予定する。第1弾は脂が乗ったハモの天ぷら。約4千食を22校園向けに用意し、児童が「ふわふわでおいしい」と舌鼓を打った。

 物価高騰が続く中、子どもたちに給食を通じて地元の恵みを知り、漁業や農業への関心を高めてもらおうと、市が企画した。内閣府の「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」を活用。市の担当者は「保護者の負担を増やすことなく地元の食材を楽しんでほしい」と話した。

 南あわじ市立榎列小学校(同市榎列大榎列)の5年生クラスでは給食に先立って、児童がハモの天ぷらが教室に届くまでの過程を学習。市内の漁港や給食センターを経て給食が作られ、多くの人が関わっていることについて、動画やクイズ形式で理解を深めた。

 その後、給食に一切れ約50グラムのハモの天ぷらが登場した。男児(11)は「めったに食べない魚だから、食べられてうれしかった。中が柔らかくておいしかった」と笑顔。別の男児(11)は「どうやってハモが取れているかを勉強してから食べたので、よりおいしかった」と満足そうだった。(古田真央子)