お手柄のヴィクトール号と椎谷剛巡査部長(左)=南あわじ署
お手柄のヴィクトール号と椎谷剛巡査部長(左)=南あわじ署

 行方不明になった80代の男性を見つけたとして、兵庫県警南あわじ署は県警鑑識課の警察犬「ヴィクトール・フォン・マイン・リーベ号」に感謝状を贈った。

 ヴィクトール号は5歳雄のジャーマンシェパード。これまでも捜索や容疑者捜査で約30件の成果を上げ、たびたび表彰されている。

 今回の事案は、9月5日夜に発生。男性の家族から「午後5時ごろに犬の散歩に行ったが、犬だけが帰ってきた」と110番があり、署員が捜索を開始した。しかし、周囲は真っ暗で見通しが利かず、警察犬の出動を要請した。

 ヴィクトール号が到着したのは、日付が変わる頃。男性の毛布を嗅ぐとにおいの痕跡を追って、雑草や雑木が生い茂る中をまっすぐ進んでいった。そして2分後、田んぼの泥の中に倒れていた男性を発見。けがもなく、無事に保護された。

 「すぐに反応してくれてよかった」とペアを組む椎谷剛(かたむ)巡査部長(37)。ヴィクトール号は警戒心が強い一方、出勤すると「喜んで駆け寄って来る元気な性格」だという。

 11月19日に同署であった表彰式では、お手柄のご褒美にドッグフードを受け取り、リラックスした表情を見せていた。(劉 楓音)