工事作業員2人が生き埋めとなり、救出作業が続く神戸電鉄粟生線の陸橋ののり面工事現場=12日午後1時24分、小野市粟生町
工事作業員2人が生き埋めとなり、救出作業が続く神戸電鉄粟生線の陸橋ののり面工事現場=12日午後1時24分、小野市粟生町

 12日午前11時35分ごろ、兵庫県小野市粟生町、神戸電鉄粟生線葉多-粟生間の線路沿いののり面で土砂が崩れ、補強工事をしていた男性作業員2人が生き埋めになった。県警小野署などによると、山本幸一さん(52)=大阪市淀川区=が心肺停止の状態で見つかり、約2時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。神戸市垂水区の男性(62)は片脚が土砂に埋まり軽傷を負った。

 同署によると、のり面が幅7メートル、高さ7メートルにわたって崩れた。神戸電鉄によると工事は、のり面の石積みを補強する目的で3月4日から実施。計11人で作業に当たり、斜面に沿ってコンクリートを流し、固める作業をしていたという。

 県警は、工事の安全管理が不十分だった可能性もあるとみて、業務上過失致死傷容疑も視野に調べる。13日午前から現場検証を実施する予定。

 神戸電鉄によると、事故の影響で粟生線は小野-粟生間の上下線で終日運転を見合わせ、タクシー、バスによる代行輸送やJRによる振り替え輸送を行った。13日も、始発から運転を再開する見込みは立っていないという。

 現場を訪れた男性(67)は「朝から雨が降り続いていた影響があったのでは」と話していた。