
12月の三者面談まで残すところあと1か月と少しになりました。最近は多くの中学校で11月に受験校の事前面談を実施しているようです。それを受け、12月の三者面談となります。12月の三者面談では、①私立高校の決定(専願か併願か)、②推薦や特色選抜の決定(高専を含む)、③公立高校一般入試の受験校の見込み、がテーマとなるでしょう。今回は三者面談に向けて、それぞれのテーマについてお話しします。
■私立高校の決定

12月の面談で最も重視されるのは、「私立高校はどこを受験するのか」ということです。
公立高校を専願で受験する場合は、ここにあまり時間を割くことはありません。しかし最近では、入学金を前納せずに済む学校も増えており、受験の雰囲気に慣れるためにも、多くの先生が私立高校の受験を勧める傾向にあります。
併願の場合、受験する公立高校に応じて併願候補となる私立高校があります。塾に通っている方は、事前に代表的な併願先を相談しておくと安心です。
併願の倍率は10~20倍になることも珍しくありませんが、私立高校側は多くの受験者が公立高校に合格することを見越して合格者を決めるため、実際の倍率は1倍を少し超える程度です。
ただし、どの私立高校でも上位コースの合格基準点は高く、希望コースに届かず別のコースに「回し合格(スライド合格)」となる生徒も少なくありません。
希望する上位コースに合格できるかどうかは当日の得点次第になるため、過去問は一通り解き、問題の傾向を把握して受験に臨むことが大切です。
私立高校を専願で受験する場合は、学校の先生とよく相談してください。先生が大丈夫と判断する高校であれば、きちんと受験勉強をして試験に臨めば十分合格可能です。
一方で難色を示す学校を受験する場合は、少し慎重に考える必要があります。また、多くの私立高校には複数のコースがあるため、希望するコースも含めて担任の先生としっかり話し合うことが重要です。
■推薦や特色選抜の決定

次に重視されるテーマは、「推薦入試や特色選抜入試の受験校」です。受験を希望する人は、この12月で出願校を決定することになります。
推薦や特色選抜は、2倍前後の倍率になることが多く、「推薦された=ほぼ合格」という考えは当てはまりません。また、受験校によって入試内容が異なるため、専用の対策も必要です。その点も踏まえて、しっかり検討しましょう。
万が一、推薦や特色選抜で不合格になっても、同じ高校の一般入試に再チャレンジすることができます。
よく「一般入試は高校のランクを下げる必要がある」と言われることがありますが、これは間違った情報です。推薦や特色選抜と、一般入試は同じ高校を受験できますので安心してください。
なお、高専は公立高校の推薦や特色選抜とは入試日程が異なります。ただし、高専の推薦入試と公立高校の推薦・特色選抜は併願できませんので、進路を考える際には注意が必要です。
■公立高校一般入試の受験校

公立高校一般入試の受験校は、12月の三者面談で決定となるわけではありません。しかし、内申点(調査書)の内容は、面談前にほぼ固まっています。
そのため、事前に提出した志望校が厳しい場合は、ここで担任の先生から話があることもあります。
とはいえ、英語・数学・国語・理科・社会の5教科の成績については、1月の実力テストの結果で微調整を行う中学校も多く、ギリギリのラインであれば「冬休みに頑張ってください」と励まされることがほとんどです。
どうしても志望校を受験したい場合は、ここで簡単にあきらめず、しっかり意志を伝えることをお勧めします。
いずれのテーマでも大切なのは、事前に家庭で受験方針や受験校を決めておくことです。その際、塾に通っている方は塾の先生と相談するのがよいでしょう。
塾に通っていない方でも、外部模試を受けている場合は、その結果を判断材料にすることができます。
三者面談まではまだ時間があります。日々できることにしっかり取り組み、面談の結果が良いものになるように準備しておきましょう。
<執筆者>株式会社創造学園常務取締役・手嶋孝紀
 兵庫県を中心に100教室以上を展開する株式会社創造学園の総合進学塾エディック・創造学園にて教室責任者、学区責任者、研修、教務など、あらゆる部署を歴任し、教育現場から経営まで幅広い経験を積む。現在は常務取締役として教務のみならず会社全体を統括しながらも、「教務のトップである限り現場を離れない」という信念を貫いている。どれほど多忙でも教壇に立ち、生徒と共に学ぶ姿勢を崩さない。その現場での気づきが、新しい教材や指導法の開発へとつながり、創造学園全体の教育力向上を牽引している。



 
  
       
       
       
       
      














 
          


 
           
         
        



